紅の碧落 : 驚くほどそのまんま

劇場版「魔法少女まどか☆マギカ　後編」を観てきました。

いやー、もうボロボロ泣いてしまって、涙の処理に四苦八苦してました(ﾉ∀`)
ほむらの過去回想から、まどかが魔法少女になるくだりまでの怒涛の展開が、
やっぱりこの作品の中核だったんだなぁと再認識。
まぁ、一番泣いたのは、ほむらの所へ行こうとするまどかを引き止めた時の、
まどかママとまどかの語りの場面なんですがー。
なんかあの場面で、凄くグッときました。
次点は、概念存在になったまどかとほむらの最後の邂逅ですかねー。
あそこは完全に泣かせにきてるのが分かってるだけに、ちょっと悔しいｗ

ただ、意外だったのは、全然追加シーンがなかったこと。
もちろん、細部は色々と手が加えられてますし、尺が延びてる部分もあるんですが、
顕著だったのは、ほむらの過去回想から戻る場面でのキュウベェとの語りくらい？
あそこだけ無駄に豪華になってて笑ったｗ

前後編に分けられているので、後編は大幅な改編がされているのかと思いきや、
構成すら同じで、ちょっと拍子抜けした部分もあります。

劇場版構成としては、
後編の始まりは、ほむらの過去回想からの方がスマートだったと思うんですけど、
さやかの処理を先に済ませないと、どうにも収まりが悪いのも事実で、
結果として最初からクライマックスになってしまい、
観る側の準備ができてない状態でのホットスタートは、
イマイチ盛り上がりに欠けると言わざるをえませんでした。
だって、間に１週間のクールダウン期間を挟んでしまっている上に、
ＴＶ版を観てた人は結末も知ってるわけで、これで無改変では…ねぇ？
理想としては、前編の間に杏子編を完全に終わらせることだったんですが、
尺の関係で無理だった事情も分かるんで、その辺は難しいところですよね。

でまぁ、結局はＴＶ版のデキの良さ頼みの構成だったため、
やはり素直に劇場版を評価し難いなぁというのが正直な感想です。
や、十分すぎるほどに面白かったんですが、それはＴＶ版の面白さですからねぇ。

例えば、なのは１期の劇場版のように、
ＴＶ版での無駄な贅肉を削ぎ落とした「完全版」とかなら、
劇場版単体で評価することができますし、
なのは２期のようにＴＶ版から劇場版へのシフトにおいて、
内容の再編を余儀なくされた場合も、「劇場版」として観ることができます。

ただ、まどかのようにＴＶ版の完成度が高すぎて、
内容はおろか、映像そのものにも（素人目には）違いが分からないような作りだと、
劇場版の「作品」としては、ちょっと評価に困るんですよね。
特に後編はほぼノーカットなんで、前編より更にＴＶ版に近いという。うーむ。

ぶっちゃけ、この映画の本体は、
本編終了後の次回劇場版予告だったと言っても過言ではありません。
明らかに映像クオリティが違ってましたからねー。
これは期待せずにはいられない。

個人的に、このまどマギ劇場版は、
まどマギを布教するために初見さんに見せるための媒体という感じですね。
もちろん、ほどよくＴＶ版を忘れてる私みたいなのが見るのもアリですけど。
ＴＶ版を何度もリピートして、セリフまで覚えてるような人が観るには、
ちと面白味に欠けるかもしれません。

ただ、やはりＴＶ版が名作だったこともあり、素直に面白い作品であること、
あとは劇場版ならではの迫力や、音楽の力を感じる点など、
「劇場版ならではの臨場感」は、ここだけのものですので、
これは劇場に足を運んで観るべき作品だと思います。
むしろＢＤ化やレンタルを待っても、あまりメリットは無いと思いますよ。

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