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映画『聖闘士星矢 The Beginning』観てきた

2023年05月06日 01:34

GWということで、友人たちと映画観てきましたー。
何でよりによって『聖闘士星矢 The Beginning』なんだよ…マリオもコナンも東リベもやってる中で、何故…。

知らない人のために説明すると、古の大ヒット少年漫画『聖闘士星矢』の海外産実写映画ということで、もう嫌な予感しかしないわけですが、「見えているクソだからこそ気になる」という心理を理解してもらえるでしょうか。
以前にも海外実写映画ではかの『ドラゴンボール』が盛大にやらかしていて、これはもう擁護する気も起きないレベルのクソ以下のゲロだったんですが、星矢はどうなんだい!?ということで確かめてきました。
ちなみに、上映開始1週間しか経ってない作品、さらにGW連休中という好条件でありながら観客が私と友人たちだけという貸し切り状態で「マジか…」と戦慄してました。こんなの初めてやで…どんなにクソでも5、6人はいるもんやで…。始まる前から不安しかない。

結論から言うと、普通に面白かったです。や、マジで意外すぎる結果に私が一番驚いてますが。
問題点としては、これが『聖闘士星矢』である必要性がまるでなかったことですね。友人に言わせれば「マーベルでやればよくね?」だそうで、うんうんと頷くことしかできませんでした。

というのも、なんとなく原作のストーリーラインをなぞってはいるものの、設定もキャラクターも舞台も何もかもが原作から改変されており、『聖闘士星矢』要素は何故かここだけ名前そのままな星矢とカシオスとマリンのみ。それ以外のキャラは名前から変更されてるので「あー、これは沙織さんか。これはアレか」みたいな推察はできるけど、でも名前も人種も違うからそれもう別人だよね、という。むしろ何で星矢とカシオスとマリンだけそのままなんだよ。

原作からして完全ファンタジーな世界ではないのだけど、こっちはもうSFの領域に踏み込んでて、なんなら明言はされてないけど、敵の雑魚兵士はスチール聖闘士っぽいのがなんとも言えない味を出してます。そこ拾うの!? 原作ガン無視なのに!?
とはいえ、完全に原作を破壊しに来てるわけではなくて、中盤のマリンとの修行は割と原作再現してて、無駄に丁寧に描写されてました。無駄にとは言ったけど、聖闘士に覚醒したり戦う意味を見つめなおしたりする大事なシーンなんで、まあよし。

で、原作破壊しまくってるのに思ったより面白かったのは、主人公の戦う理由付けが序盤からしっかり描かれてて、所々怪しいものの、物語が破綻するほど酷くもなくて、しっかり筋の通ったストーリーに仕上がっていたからかなと思います。バトル描写も悪くなかった。むしろ脇役が活躍しすぎなのが謎。おそらく辰巳ポジションの執事が強すぎて「この場面必要だった?」となるレベルで力入ってました。ここが本作で一番カッコよかったバトルシーンまである。

また、正体不明な敵キャラが原作の「あのキャラ」だと判明する場面が個人的に大興奮で、「そうきたか!」とかなり評価上げましたね。最終的にラスボスとして出てくるわけですが、デザインから技のエフェクトに至るまで監督の愛を感じるというか、こだわりが凄かった。何でこれを星矢にしてやれなかったんや…全体的に色味が地味で全然映えないねん…。

あと、最終決戦直前に「ペガサス幻想」のアレンジ曲が流れる場面があって、ここで雰囲気が変わった気がしますね。ようやく「星矢らしさ」を感じたというか。あの場面はメッチャ良かった!
てか、原作ある作品は原作の音楽もっと使えよ! 絶対盛り上がるんだから!
権利関係で使えないのはわかるけど、視聴者には裏事情なんて関係ないからねぇ。ただ「あの原作使ってるのに音楽使わない無能」という悪印象だけが残ってしまうのも事実。
そういう意味では本作はここで「ペガサス幻想」を流したことでメンツを保ったとも言えます。良い仕事した。
エンディングに「ソルジャードリーム」まで流してくれたらスタンディングオベーションだったのになあ…あの無駄に長いだけのエンドクレジットはマイナス評価でした。もっと静かに余韻に浸らせてくれればいいのに、やたらうるさい音楽なんなの…。

総じて、所々でファンサービスは入ってるものの、根本的に『聖闘士星矢』である必然性がまるでないため、『聖闘士星矢』を求めて観ると明確にクソの塊ながら、『聖闘士星矢』であることを気にしなければ悪くない程度にまとまった良作でした。
もちろん、ファンサもあるので『聖闘士星矢』知識がある方が楽しめるのは間違いないです。でも知らなくても問題なさげ。
少なくとも『DRAGONBALL EVOLUTION』というクソ中のクソの足元にも及ばないくらいのクソ度なので、クソ映画を求めてこれを見ると逆に肩透かしになりそうです(何の心配なんだよ

同時期に上映してる作品として、何故か批評家から「ファンが見たいものを見せてるだけの駄作」などと意味不明な叩かれ方をしてる『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を例に挙げるなら、こちらは「ファンが見たいものを見せなかった駄作」です。どちらが映画としてダメなのかは、言わなくても分かるかと思います。
でも前述のとおり、『聖闘士星矢』を求めなければ駄作というほど悪い作品じゃないのであしからず。点数を付けるなら60点くらいはあります。まぁオススメはしませんけどね。

劇場版『呪術廻戦 0』観てきた

2021年12月26日 19:59

現在、超雪降ってますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
いやー、「呪術0」の映画上映日がギリギリ降雪前でよかったよかった。
何気に作中の時間と合わせて12/24上映開始にしてるっぽいのもエモい。

そんなわけで、『呪術廻戦 0』を初日に観てきましたー。普段は腰が重いのに、気になる映画がある時だけはフットワーク軽いの我ながら謎。まぁ「呪術0」は単行本になってる話なんで、ネタバレもクソもないから初日に行く必要もなかったんだけど、土日に行くよりは人込み少ないかなーというのもありまして。ちなみに体感、鬼滅と同じくらい人はいました。女性の割合が多めな印象でしたねー。五条悟人気は健在なのかな?

内容の結論から言うと、最高でした。
いやー、漫画原作のアニメ映画として完璧な仕事をしてくれたと思います。
原作を忠実に再現しながら、足りない部分の補足を入れたり、ファンサービスも抜かりなかったのが素敵。夏油の百鬼夜行で原作の人気キャラがしっかり見せ場を貰ってたのは実に良い改変でしたね。

PV時点で気になってた乙骨の声についても、そもそも緒方恵美がベテラン声優なこともあって演技が抜群に上手くて、観てる内に気にならなくなったどころか、感情の込め方が迫真すぎて、思わず涙が出る場面もしばしば。てか、序盤から泣かされると思ってなかったんで、これは嬉しい誤算でした。
ラストバトルも緒方さんの声のおかげで盛り上がった部分も大きいと思うので、文句言う前に観てみようぜ!

あと、里香(人間時)が犯罪的に可愛くてヤバい。あれは魔性の女やでぇ…!
劇中で度々繰り返される里香の満面の笑顔が最高すぎて、あの1枚絵載ってないかなーと、思わず買うつもりなかったパンフレット買ってしまいました。残念ながら目当てのシーンはなかったんですけどね…。
これは特典にフィルムが追加されたら、ワンチャン狙いでもう1回行こうかな。や、リピートしてもいいくらいお気に入りですぞ。

音楽もメチャクチャ良くて、サントラが欲しくなるレベルでしたが、挿入歌がちょっと合ってない感じだったことだけがマイナスですねー。うるさすぎたり場面と合ってないなと思ってしまったり、そこだけが残念。でもエンディングの歌は好き。

単行本1冊でまとまってる作品をアニメ化したこともあって、綺麗に1つの作品として完成されてるのも良かったですね。これが五条の過去編だったら後味悪い終わり方になっただろうし、きちんとハッピーエンドで終わってくれたのも視聴後感が良くて善き。全体的に爽快感がない(暗い)とされる「呪術」には珍しく気持ちのいい終わり方をしてくれるエピソードなのも貴重。

てか、やっぱりブチギレて覚醒して圧倒的力でラスボスをボコボコにするのは王道でいいですなー。観てて気持ちいいのよな。
特に乙骨は声優さんの影響もあるけど、最初はウジウジ系の後ろ向き君なだけに、段々と仲間を得て前向きになっていく姿が105分という短い時間の中でしっかり描けていたのが大きいですね。なので、仲間を傷つけられて激怒する姿に説得力もある。
この短時間で成長物語を上手くまとめている構成力も評価したいです。これは原作が元々よくできてたことも大きいですね。

や、映画観た後で改めて0巻読み直したんだけど、線がメチャクチャ綺麗ですね。初期のワンピースを彷彿とさせる読みやすさでビックリしました。こんなに変わっちまってたのか…。
絵柄は元々ある程度完成されてる作家さんなんで、線が綺麗な分、今より上手く見えるのは複雑な感じ。

話が逸れましたが、とにもかくにも、これ単体で完結してるので、初見でも問題なく観れるのもオススメできるポイントですね。
全体的な質が高いレベルでまとまっているので、今年最後に観る映画として文句のない作品だと思います。

とりあえず、特典が更新されてないかマメにチェックしとかねば。

劇場版『鬼滅の刃 ~無限列車編~』観てきた

2020年10月18日 01:16

お久しぶりでございます。
ちょっとリアルで色々あったのと、未だにPCの復旧をサボっていてタブレット環境なため、キーボードをタブレットに接続するのも億劫なため、更新サボッておりました。もう新PCに買い替えようかなあ…。
まぁまたゆるゆると更新再開する予定なので、お久しぶりな方もはじめましてな方も、よろしくお願いします。

さて、今回更新する気になったのは、今話題の『鬼滅の刃』の映画を上映開始日に観てきたからです。
なんか前に更新休んでた時もそんなパターンで復帰したような気がする。

ともあれ、TV版の時点で既に劇場クオリティだった作品が、劇場版ではどうなってしまうのかという感じでワクワクしておりましたが、いやー、もうね…こんなん泣くわ(´;ω;`)

超良かった! 劇場で観てよかった!
でもあの内容でスタッフロール終わった後にゲラゲラ爆笑してた女どもだけが腹立たしかった(怒
余韻台無しだろうよ…どこに笑う要素あったんだよ…。

映像面はもう安心のクオリティなので何の心配もいりません。
音楽も素晴らしかった…サントラ欲しくて、グッズ売り場にないか探してしまったよ。
ちなみに音楽は梶浦由記と椎名豪のコンビで、椎名豪は『ゴッドイーター』の音楽担当者だと言えば伝わるかしら?
なので、激しいシーンがどことなくGEっぽくて、GE好きにもオススメですw
盛り上がり半端ない。

エピソード的にやや短い話なので、少し間延びする場面もあったのと、展開の関係上、どうしてもスッキリとしたラストにならないのが分かってるエピソードだけに、ハッピーエンドでないと我慢ならないという人には不満が残る可能性がありますかね。
でもラストバトルがもう泣けるのよ…「れんごくさんがんばえー!」って応援しちゃってたよ心の中で。

ともあれ、観て絶対に損はしないと思うので、気になる人は是非ぜひ!
ちなみに特典の0巻は、以前にジャンプ本誌に掲載された読み切りがそのまま載ってるだけっぽいし、本の装丁も単行本に続くようなものではないので(『ワンピース』みたいなものではないということ)、無理に手に入れなくてもいいと思います。本誌で見逃してたら、あると嬉しいけどね。

仕事終わりに思い付きで観に行ったんだけど、行って正解だったー。
これ、ラストでTV版2期決定みたいな告知があれば更に盛り上がったと思うんだけど、なかったので、2期はまだ先なんですかねぇ。
『進撃の巨人』みたいに間が空きすぎて2期やる頃には空気になってると悲しいので、早めの展開をお願いしたいところですな。

では、まだ語り足りないので、ネタバレ解禁した続きを追記に書いておきますね。


以下、ネタバレ感想

[劇場版『鬼滅の刃 ~無限列車編~』観てきた]の続きを読む

今更全巻読了感想『クレイモア』全27巻

2020年07月05日 14:22

「AFKアリーナ」というソシャゲをやってみたんですが、横スクロールではなく、
画面全体をチョコチョコ動くバトルが見てて楽しいですねー。
何故かサムスピとコラボしてるみたいで、右京とナコルルが期間限定で使えます。
正式に使おうとすると6000円かかるんですが、1キャラで6000円てCSでやったら大荒れですよ…。
ガチャで1万とか使うよりはいいのかもしれないけど、さすがにおかしいと思いました。
そりゃソシャゲビジネスはやめられませんわ。

さて、何故か急に『クレイモア』が読みたくなって、古本屋でまとめ書いしてきたんですが、
いやー、面白かった!
連載中は途中で読むの辞めちゃったんで、どう終わったのか知らなかったんですよね。
やっぱり連載でチマチマ追うより、単行本で一気に読む方が作品の本質的面白さに気づけます。
『HUNTER×HUNTER』は単行本で読むと連載と全然感想変わると思いますぜ。

ちなみに、『めだかボックス』や『武装錬金』とかも買ってきたんで、
そのうち感想書くかもー。

さて、『クレイモア』ですが、人間に化けて人間を捕食する妖魔が存在する世界で、
その妖魔を狩ることを目的とした組織に属する、大剣を振るう女戦士たち、
通称「クレイモア」たちの戦いの物語です。

構成は至ってシンプルな妖魔調伏物ですが、
段々と雲行きが怪しくなり、組織への疑惑が募り、
妖魔に関する衝撃の事実が明らかにされていく、謎めいた物語も魅力的な作品です。

四肢欠損に流血が多々あるバトルなのに、実はそこまで登場人物が死なないのは、
クレイモアと呼ばれる女戦士たちが、凄まじい再生能力と欠損部位の結合ができるからで、
腕が飛ばされた程度では絶望感を感じなくなってくるのが、
読んでて感覚が狂ってきたなと感じる部分ですね。

基本的に敵が強すぎるので、「こんなんどうするんだよ…」と思うことも多いんですが、
多くの場合はどうにもできずに、倒すことなく話が進んでるのも潔い。
つまり、ご都合主義に逃げていないということでもあります。
絶望的状況からの勝利って、リガルド戦とオフィーリア戦くらいしかない印象。
まぁぶっちゃけ、延々と身内で争ってるような話なので、
本気で殺そうということがあんまりないのも大きいですね。

なので、バトル描写は多いんですが、この作品の本質はそこではなく、
成長や人間ドラマが中心にあるのだと思っています。

そもそも主人公が組織で最弱の戦士であることが、もう成長物として良いですよね。
さらに、感情をほとんど無くしてるような状態から、
少しずつ人間らしさが生まれてくるという王道な展開に加えて、
孤独な復讐の旅に大切な仲間が増え、絆を結んでいくところなど、
明確なプラスの変化が目に見える形で提示されていくので、
良質なRPGでも楽しんでいるような感覚で読み進めることができます。

また、作中に散りばめた伏線の回収もきちんと行われており、死に設定はほぼありません。
特にラストバトル(という名のイベント戦闘)はメチャクチャ良かった!
「そこで活きるのかその設定!」という感じで最高に盛り上がったし、
主人公が前に進むための最後のピースとしても完璧にハマっていました。
単純に、絶対的な敵に対して、更に強大な力でねじ伏せるという展開が大好きなので
(ドラゴンボールでいえばフリーザ戦みたいなヤツ)、爽快感もありましたし。

個人的には、最後までイレーネがキーパーソンになってくれたのが嬉しかったですね。
高速剣いいよね…! 最高にカッコいいわぁ。
ラストシーンも良かった…もう「良かった」しか言えねぇ。

どんどんインフレしていく敵に、どう収拾つけるんだコレ…と思いながら当時は読んでましたが、
ここまでキッチリと綺麗にまとめてくれるとは思いませんでした。
いやー、これは名作ですわい。

ちなみに、私は弱いキャラクターが頑張る話が大好きなので、
作中でお気に入りのエピソードは、
ユマがシンシアを助けて1人で奮闘するところと、クラリスの最期だったりします。
特にクラリスは、凄惨な話の割にネームドキャラクターはあまり死なない作品なだけに、
衝撃も大きかったですね…。

そういえばこれ、アニメ化もしてるんですが、確か後半はオリジナル展開だったと記憶してます。
どうやって終わらせたか全然覚えてないので、そのうちに観直してみようと思います。
あー、面白かった!

無双しない異世界転移物は面白い! 『迷宮キングダム~特殊部隊SASのおっさんの異世界ダンジョンサバイバルマニュアル!』読了

2020年02月23日 20:13

酔っ払った勢いで昨日は更新してしまい、申し訳ありませんでした。
いやー、メッチャ不満溜まってたのかしら。
でも実際問題、少年シドーはダメすぎると思うのよね。
「いやいやメッチャ強いよ!」という方がいれば、運用方法をご教授ください。
せっかく手に入れたヒーローが倉庫の肥やしになるのは忍びなさすぎる…。

さて、最近のラノベ界隈はとにかく異世界転生or転移もので溢れかえり、
どこを見ても異世界異世界で辟易しますが、
なんで素直に「ファンタジー」と題しないのか不思議ですね。
普通のファンタジー物ですら「異世界」と題していて見極めが非常に困難です。

そんな中で何故これを読もうと思ったかといえば、
題材になっている「迷宮キングダム」というTRPGが大好きだからです。

この「迷宮キングダム(通称「まよきん」)は、空も海も大地すべてが迷宮に飲み込まれた、
百万迷宮という地下世界で、小さな王国を作って少しずつ領土を拡張し、
王国を豊かに運営していくことを目指す経営要素を持った、
世界観もルールも特徴的なゲームです。

そんなゲームを題材とした小説なら異世界無双でも面白そうだと思ったわけですが、
まぁそもそものゲームからして無双とは程遠いシステムでして、
小説の方もそれに倣い、無双要素は一切ありません。

主人公は元SASのおっさんで、確かにサバイバル技術には長けてますが、
対人戦闘は得意でも、異世界の怪物相手にCQC(近接格闘)なんてクソ程も役に立ちません。
つまり、作中では「ちょっと強い一般人」程度の存在であり、
なおかつあまりに異質すぎる世界に困惑することの方が多いです。
でも、それが普通の反応だし、それが異世界転移物の醍醐味だと思うんですよねー。
食べられるかわからない木の実を食べられるか判断するだけで苦労してるのが見たいのです。

最近の異世界物は、異世界に行くことが当たり前な精神性の主人公が多くて、
異世界にすぐに馴染んじゃうし、妙なスキルで無双したりと、
異世界に行く意味が殆どないんですよね。
それこそSAOみたいなVRMMO物でいいんじゃないかと思うし、
それ以前に転生要素必要なくね?という、
「実際は普通のファンタジー」ななんちゃって異世界転生も多々あります。

そういう凡百の異世界物に食傷気味な、一昔前のラノベが好きだった読者には、
自信を持って本作をオススメします。

主人公はチート能力なんて持ってないし、異世界の現実は容赦なく彼に試練をもたらすし、
ひとつ困難を乗り越えるとすぐに次の難題が降りかかる、かなり「疲れる」物語です。
しかし、それらを自身の知恵と仲間たちの協力によって乗り越えていくカタルシスは、
最近ではなかなか味わえない魅力に満ちていると断言できます。
特にラストバトルの展開とか、やりすぎなくらい絶望的で最高でした(ぉ

そして、状況が絶望的だからこそ、希望の光が輝いて見えるんですよね。
この物語では騎士アストリアが仲間になる辺りの展開が一番の見所です。
出会う直前にどうしようもない状況に困窮していた所に、
自信と実力を兼ね備えた強者が仲間に加わる頼もしさたるやかなりのもので、
更にアストリアの快活で気持ちのいい性格が非常に好印象で、
「私を仲間にしてくれないか?」という辺りで涙が出てきました。ブラヴォー! ブラーヴァー!

私は実際にゲームをプレイしたこともあり、この世界の過酷さを知ってるだけに、
今後、この元SASのおっさんが率いる国がどうなっていくのか、非常に興味深いです。
続刊予定らしいので、2巻が早くも待ち遠しい!

…新装版として新たに発売されてるルールブック欲しくなってきた。
久しぶりにやりたいなー(チラッ



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