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『宝石の国』99話まで読了

2023年02月26日 21:35

凄まじい物語でした。

これを訪問者の方が見てる頃には終わってるかもしれませんが、期間限定で最新話直前まで一気に無料で読めるキャンペーンをやってまして、プラモ買うために開店2時間前から並ぶという愚かな行為の時間潰しのために読んでいたんですが(アニメは観ててメッチャ面白かった)、予想のつかない展開が凄い速さで連続して押し寄せてくる衝撃に脳みそがグラグラと揺れながらも、先が読みたい一心で読了してしまいました。この物語考えた人マジ天才。

タイトルの通り、鉱物である宝石に人格が宿り、人のように暮らしてる不思議な世界のお話で、主人公であるフォスフォフィライト(通称フォス)は、宝石としては脆すぎる身体が災いし、何も仕事ができない自分にできることを探し始めて━━という、自分探しから始まります。
自分で自分を「かわいい」と言うように、フォスの外見は(性格も)非常に可愛いヤンチャ坊主という感じなんですが、物語が進むほどに、その「宝石(鉱物)」という特異な設定が存分に発揮され、フォスの外観のみならず、運命までもを歪めていくのが非常に恐ろしくも美しく、そして悲しくも優しい物語となっているのが凄い。

とにかく、登場人物に悪人と呼べる存在が1人もいないというのが凄くて、そしてそれが物語制作の上でのご都合(昨今の過度なストレス排斥傾向に媚びること)などではなく、世界観から来る理由であるというのが読んでる内に理解できてきて、読み進める内に色々なことが腑に落ちてくるとともに、キャラクターたちへの愛着も湧いてくるのはもうストーリーテリングの上手さゆえです。

てか、どこまで最初から想定して描いてたのか凄く気になります。凝った設定は破綻したり矛盾が出たりするので扱いが難しいんですが、読むほどにパズルのピースが組みあがるような納得しかない展開だったので、驚きしかありません。

特に本当に関心したのは、フォスがシンシャと交わした約束を、あのような形で実現してしまったことで(マジで原作読んで!)、もう本当に悲しい展開なんですけど、物語の構造の美しさに絶頂しそうでした。こういう初期に受けたクエストが物語終盤で綺麗に回収されるのマジで神。この展開読める人は、ひぐらしの謎を解けた人より少ないと思う。

中盤を過ぎてからの展開のジェットコースター具合が本当に凄くて、99話はもう物語的には終わってるんですが、「フォスの物語」はまだ終わってないということなんですかね。続きが気になりすぎるので単行本買いそう。

いやはや、名作名作とは聞いてたし、アニメも凄く面白かったんですが、まだまだ予想が甘かったようです。超名作でした。
今はドラゴンボール形式の「ちょっとだけ続くんじゃ」状態みたいなので、さすがにもう完結が近いのだと思いますので、この機会に単行本を揃えてみるのもアリよりのアリだと思います。

いやー、久々に読書で充実した時間を過ごせて満足満足。電子書籍最高!

やっぱジャンプ強ぇーわ

2022年10月10日 12:32

人はなぜ部屋を掃除できないのか?
それは邪魔なものを一時的に置いておくスペースすらないからである。
掃除はしたいんだよマジで…

そんな部屋にスペースがないのに未だに紙媒体で漫画買っちゃう岳るです。だって紙本好きなんだもんよ。
でも昨日、うっかり水をこぼして積んでた本がビシャビシャになった時は、さすがに電子書籍に移行したいと思いましたトホー。

さて、月末月初は大量に新刊が出るタイミングなので、久々に漫画感想といきますか。
改めて思うけど、ジャンプ率高めよね。なんだかんだでジャンプって強いなあと実感しますなー。

・僕のヒーローアカデミア 36巻
最終決戦らしいド派手なバトルの連続で大興奮です!
轟君は技が派手なこともあって、アニメになると更に映えるんですよねぇ。「大氷海嘯」は絶対カッコいいやーつ。
AFOのラスボス感も素晴らしいし、それに弱キャラが立ち向かう姿とか王道が詰め込まれてるの最高すぎる。
そして爆豪…! お前、本当にいいキャラになったなあ…! なんか爆豪で引く回多くない?
まさかのクリリンポジションになっちゃうのか先が気になりすぎる。
全然関係ないけど、ポッと出てきたサポート科の舞奈ちゃんが好みすぎてヤバい。ヒロアカって脇キャラほど可愛いのなんなんだろうね。

・チェンソーマン 12巻
まさかの第二部に驚きを隠せない。こういうのってそのまま続編は描かれないもんだと思ってたよ。
主人公を交代して、前作での主人公をラスボスに添えるというのもある種王道ですが、どうなるんだこれ。
所々でサラッとネタを挟んでくるのも面白いんだけど、単純にセリフ回しが秀逸なのがこの作者の地力なのかなと思います。
ユウコの「結果は間違えても、自分の気持ちが間違ってなければ私はいいんだ」という言葉は刺さる人には刺さりそう。てか刺さった。ともすれば自分勝手なことに対する免罪符になりそうなセリフではありますが、遠慮や萎縮しすぎて何もできない人って多いと思うんで、前向きに生きたい人には指針にして欲しい言葉ですね。あれ、なんかいい話してる?
デンジが何も成長してないのは笑ったw
うん、こういうヤツだったよねデンジは。

・ルリドラゴン 1巻
ある日突然、半人半龍として覚醒しちゃった女子高生の、ゆるーい日常漫画。
評判いいのは聞いてたんで買ってみたら、マジで面白くてビックリした。作者の体調が悪くて休載してるみたいなのがマジで残念すぎる。単行本が出たということは、期待していいのかしら?
こういう異種族日常系って、異種族であることを活かせてない作品が多いと思うんですが、これはしっかりと急にドラゴン的要素が身体に出てきたことに対してしっかりと描写されてるのと、それに対する周囲の対応が適度にリアルでありながらユルいという、漫画として理想のバランスが保たれてるのを感じる作品です。
リアルにしすぎると嫌な感じが多くなるし、逆にスルーしすぎるのも嘘くさいので、この「実際にありそうな感じ」を残しながら読者に嫌な感情を与えないバランスって凄く難しいんですけど、そこを上手くクリアしてるのが面白さに繋がってると思うわけです。
とまあ小難しいこと書きましたが、単純に主人公が可愛いってだけで神です。
あと、ボイスコミックも配信されてるんですが、ルリちゃんを小見川千明が演じてるの最高や…大好きなんよねぇ…。てか、メッチャ演技上手くなってて感動ですよ。



とりま、これ見てルリドラゴンのファンになってしまえーい!

久々に漫画をゆっくり読んでみた

2021年10月09日 13:19

ソシャゲをやめられない理由のひとつに「勿体ない病」があります。
ログボであったりそれまでの課金であったり色々ですが、惰性でやってるゲームはスパッと辞めてしまう方が時間に余裕が出るので、なんとかしたいところですが…難しいんだよなあ…。

そんなソシャゲとYouTube動画のダブルパンチで最近は漫画も積んでばかりなんですが、昨日は大量に漫画を買ってきたこともあって、久しぶりにじっくりと読んでみました。こういう時間をもっと作っていかないとなー。
てなわけで、読んだ漫画の感想を適当に書いていきましょうかねー。

・僕のヒーローアカデミア 32巻
今までの積み重ねが活きまくった歴代最高の巻でした。これだけ詰め込んでおきながら、レディ・ナガン戦もこの巻だけで決着つけたテンポの良さが素晴らしかった。
伏線というか以前の話を上手く拾ったエピソードとしては、デクの母親の過去と今を重ねた「オールマイトは出久だったんだねぇ」のセリフの出し方があまりに綺麗でメッチャ涙出たし、ポッと出のレディ・ナガンのエピソードの完成度高すぎて震えたし、デクの姿がステインにダブっていくのワクワクするし、ラストで爆豪が駆けつけてきた時の安心感やばいしで、マジで今一番熱い少年漫画だと思います。もっと評価されるべき。

・呪術廻戦 17巻
死滅回游の意味がわかりにくいこととキャラを殺しすぎること以外は、真希の覚醒とその後の大虐殺の流れがなかなか震えるものでした。双子の意味のアンサーは凄くよかったので、この辺は映像化されたら映えそうですが、そこまでアニメやってくれるかは疑問ですかねー。前巻からこの辺にかけて原作の絵が凄く荒れてるのもあって、アニメの綺麗な映像で改めて見たい気持ちが強いのです。

・ソウナンですか? 9巻
女子高生無人島サバイバル漫画もついに大詰め。今まで無敵を誇ったほまれを、今度は助けられてきた3人が救うという胸熱展開に、本当にみんな強くなったんだなあと自然と涙が溢れてきました。みんなを鼓舞して表では笑顔を作りながら裏で泣いてるむっちゃんに胸が締め付けられるよ!
ついにサバイバルが終わったことで、次の巻がラストなのかと思うと寂しい限りですが、「日常」というサバイバルにほまれがどう立ち向かい、3人はどうほまれと接していくのか、美しいラストを期待したいですね。


やはり物語が終盤に差し掛かると、一気に面白さが加速しますねー。
逆を言えば、もう終わりが見えてるのに盛り上がりに欠けるようでは名作とは呼べないのかなと思えます。
他にも色々買ったんですが、特に印象に残った3作品だけ紹介しました。買った本以外の積み本もどんどん崩していきたいですね。
まぁ、まずはプレイしすぎなソシャゲの数を減らすところからやらねば…。

コロナ禍の今こそ読んでおくべき作品『疫神のカルテ』で号泣した

2021年09月05日 13:06

最近はYouTubeの配信やアーカイブを見るばかりで、ゲームも漫画もアニメを見る時間もめっきり減ってしまいました。まぁ今季に限ればアニメはいまいち不作なのもありますが。何かオススメがあれば教えてほしいです。

そんな中で、久しぶりに漫画の新規発掘をしたら、これが大当たりでした。漫画でこんなに泣いたの久しぶりってくらい泣いたので、せっかくだから俺はこの漫画を紹介するぜ!

『疫神のカルテ』は、致死率100%の謎の奇病「疫神症候群」が蔓延する世界で、もう殺すしかない患者を救うべく奮闘する医者たちの物語です。
ぶっちゃけると異能力バトル漫画でして、この「疫神症候群」に罹患した人間は、制御ほぼ不能の特殊能力を発現してしまい、周囲の人間を巻き込んだ上で死亡してしまうという割と末期な病がありまして、いつかこの病を治す治療法を確立するために、死の危険に立ち向かう医者(疫神症候群に耐性を持つ特殊能力者)たちの奮闘が描かれています。
この医者たちも耐性があるとはいえ、そこは致死率100%の病なので、余命幾ばくもない中で、微かな希望を得るために足掻いてるわけで、とにかく敵(患者)も味方(医者)も命懸けなため、本気度が違うんですよね。「どうせ助かるんだろ」的な甘さが一切ない。なので、読み手の感情を非常に強く揺さぶってくる物語となっています。

で、バトル漫画的な形式を取ってはいますが、根本にあるのは医療行為なので、患者の視点も医者の考えも双方丁寧に描かれているのがまた素晴らしいんです。どちらの主張も納得できて、間違ってないという葛藤が悩ましくも考えさせる内容なので、読者は絶望的な病に対して何もできない無力感を感じ、それでも諦めない医者たちに希望と信頼を抱いてしまうのが凄い。

というのも、現在、リアルでコロナというどうしようもない病が蔓延してる中で、必死に医療行為に従事してるお医者様方がいるわけで、どうしてもリアルの状況と重ねてしまうというのもあります。
そのうえで、医者がどれだけ危険な中で病と闘っているのか、どういう想いで患者と向き合っているのかを考えさせてくれる内容だけに、そりゃあ心に響くんですよ。これ読んだら絶対に医者に暴言吐いたり誹謗中傷なんてしようと思わなくなると思う。バトル漫画というまさに「戦う」内容に置換されることで、より分かりやすい描写になっているのも上手くやってるなあと感じる部分ですね。

あと、どの「医者」たちも、基本的に人命を尊重してるのが素晴らしいです。
こういう作品は、無感情に敵を殺しまくるキャラが出てきちゃうものなんですが、やはり「医者」である以上、きちんと「命」と向き合って戦っているのが題材を大切に扱ってるのを感じさせてくれて良いですね。
特に単行本2巻の「安楽殺」の話は物凄く難しい題材だったのに、考えうる最良の終わり方をしたと感動しました。つーか、マジで誰も悪くない物語なんで、救いがあって欲しい中で望みうる最良を描いてくれたのが本当に嬉しかった。

絵が上手いのもいいですし、キャラ立ちもしっかりしてて内容も練られている、完璧に近い漫画なんですが、唯一気になるのは夜散さんの乳がデカすぎることですかねー。ここだけが漫画的誇張表現をやりすぎてて違和感を覚える部分でした。エロで売る作品じゃないんだから、こんなデザインにしなくても良かったのになー。

主人公の女の子は「全員救いたい」系の、ともすればウザくて嫌いになる人が多そうなキャラ付けなんですが、理想を語るばかりの妄想家ではなく、現実を直視した上で結果を残すタイプの理想家なので、割と好感が持てるのも良いですね。
ただ、3巻で医者側の新キャラが増えるのはいいんですが、どうも身内で争う話になりそうなのがちょっと心配ですね。
この物語の本質はそこにはないと思うので、しっかりと病と闘うスタイルを見せてほしいところです。

少なくとも2巻までは神作品だったので、続きも楽しみに待ちたいと思います。
これはマジで「今」読むべきタイムリーな作品でしたよ。買ってよかった。


以下、個人的な感傷を含む湿ったおはなし。

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祝アニメ化! 実に現代的なストレスフリーラブコメ『その着せ替え人形は恋をする』のススメ

2021年05月01日 12:26

GWをお過ごしの皆さん、ごきげんよう。
私はいつGWが強制終了するか恐々としながら過ごしてます(死
何で…こんなことに…orz

リアルが辛い時は漫画に逃避するのが一番!
ということで、今回はアニメ化も決まった『その着せ替え人形は恋をする』を紹介するぜ!

簡単に説明すると、自分に自信のない雛人形造りの家の息子である主人公と、コスプレ好きのギャルによる、コスプレ衣装づくりを通してお互いの距離が近づいていく、微笑ましい系のラブコメです。

特徴としては、とにかく読んでてストレスがない!
この手の話でよくある嫌な雰囲気の展開(嫉妬、勘違い、三角関係等)が一切ないので、安心して読めるのがいいですね。
一瞬、嫌な展開になりそうにはなるんですが、次のページでもう解決したり、問題ないというフォローが入ったりして、驚くほどストレス要素を排除してくるのが逆に凄い。
娯楽はストレスを与えた後で解放させることでカタルシスを与える手法が一般的なんですが、最近では少しのストレスも嫌がられる傾向にあるので、この作品は実に現代的な作りになっているとも言えます。
とにかく安心して読めるのと、コスプレ衣装作りというニッチな分野を丁寧に解説していく構成の上手さも光っており、「知識系」としての面白さも併せ持っているのが人気の秘訣ですかね。読み物として単純に面白い。
最近の流行りとしては、「オタクに優しいギャル」要素も取り入れられていて、ヒロインはバリバリのギャルですが、陰キャな主人公にガチ惚れしていく過程も悶えるポイントですね。

個人的に微妙なのは、主人公が気持ち悪いことですかねー。主人公は裏表のない良いヤツなんですが、等身大の高校生男子をリアルに描写しすぎてて、ぶっちゃけると気持ち悪い。ヒロインをネタにセンズリする所なんて描かなくてもよくね?
あと、あまりにも自分に自信がなさすぎて、鈍感や難聴系主人公よりもちょっとウザい感じになってるのも勿体ないですね。
まぁ、こうでもしないと簡単にくっついて物語終わっちゃうんで仕方ないんですが、物語作りの犠牲となって主人公の好感度が徐々に落ちていくのはなんとも言えないもどかしさがあります。
ただ、周囲の人間が良い奴らだらけなおかげで、少しずつ自分と向き合うことができ始めてるの成長が感じられていいですね。

というか、最新刊はマジで脇役キャラたちがGJすぎる。なんだこれ良いヤツしかいなくて逆にリアルじゃないw
ここまでストレスを排除されるとマジで安心して読めるので、いきなり鬱展開とかにならないことだけ気を付けてほしいですね。このままゆるやかに優しい物語として幸せに終わってくれればいいんだぜ。

ラブコメは好きだけど、ハーレムはなんか違うし、寝取られとか三角関係とかは見たくないし、性格悪い脇キャラ出てくるだけで萎える~みたいな人には文句なしでオススメです。
とにかく可愛いキャラが多いし、絵も綺麗なので、目の保養としてもアリですぞ。


以下、逆に色々と失敗してる『ジーティー・ガール』について語る

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