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Switch『真・女神転生Ⅴ』総評

2021年12月13日 23:40

メッチャお久しぶりデース。生きてましたー。
11月がとにかく残業地獄で何もできない&する気にならない状態だったので、珍しく発売日からしっかりプレイしてたのに、結局クリアに1ヶ月もかかってしまいました…。
まぁ、クリアだけならもっと早く終わらせられたんですが、これ、超周回ゲーなんで、1週目でやれることやっとかないと色々面倒という話があったんで、色々やってたら遅れました。

そんな中、ダラダラとSwitchのEショップ覗いてたら、今、ナムコのレトロゲーコレクションで「女神転生」遊べるのな!
これ、「真」じゃない「初代メガテン」!
もう勢いだけで買いそうになったけど、無印って超ムズゲーだからウェイトウェイト。これがOKなら2も出してくれ!
2こそわが青春なのよ。ガラケー版もまだ遊べる状態で保存してるくらい好き。むしろこれが好きすぎて「真」を認められなかったレベルで信者。

てなわけで、今回は『真・女神転生Ⅴ』のレビューになります。久々のメガテンの出来栄えやいかに!?

【クリア時間:55時間  個人評価:9点  一般評価:7点】
※悪魔全書は80%
※ミマンは全200体発見済
※サブクエはほぼすべて埋めた…はず

普通の学生である主人公は、トンネル崩落事故に巻き込まれた結果、何故か崩壊した東京へと飛ばされてしまう。そこは天使と悪魔が争い合う「魔界」であった…。

まぁいつもの「東京崩壊」から始まるメガテンシリーズのお約束が踏襲されてるわけですが、展開が色々と唐突なのと、キャラクターたちへの愛着を深めるイベントが少ないこともあって、いまいちストーリーに乗り切れない部分がありました。特に太宰君は何でいきなりあんなんなっちゃったのん?
主人公も巻き込まれ型なので、事件に積極的に関わる理由が「とりあえず生き延びるため」くらいしかない上に、感情が死んでるのかと思うほどに無表情無感情なのが、尚更ストーリー展開とプレイヤーの意識の乖離を強めていたように思います。これは無口系主人公にした弊害なんですが、いくら無口でもドラクエの主人公くらい表情は動かした方がいいと思う。

メガテンシリーズはショッキングなストーリー展開が特徴だと思いますが、今作はかなりマイルドだったのも物足りなさの一因ですね。や、確かにショッキングではあるんだけど、規模が小さいのと、モブが全部のっぺらぼうなんで作り物感が強すぎて、悲壮感が薄いんですよねぇ。手を抜いちゃいけない所で手を抜いたなー、という感じ。

総じてストーリーは神様会議が始まる辺りまでは主人公が状況に流されてるだけでイマイチだし、急に「世界の創生」とか言われても「何で私が…」って感じで、ようやく面白いと思えたのはラストダンジョンに入ってからという超スロースタートだったんで、個人的にストーリーは歴代で最低レベルだと思います。ラストでようやく主人公に感情らしきものが見えた所はグッときたけどね。
ただ、一応、最序盤からラストの伏線を張ってたのは良かったですね。あまりに最初すぎて2週目でイベント見返してようやく思い出しましたが。

ボロクソ言ってますが、イベント演出は素晴らしかったです。特にラストダンジョンはカッコいい場面しかなくて、全面スクショ禁止になってるのマジでうぎぎでしたよ!
絵になる場面の連続で鳥肌ものでした。これだけでプレイする価値あると思います。

今作はフィールド移動がアクション要素強めで、RPGには珍しく、ジャンプで色々な所に行けます。
移動速度も速くて動きも軽快なため、動かしていて楽しいのがいいですね。
あと、シンボルエンカウントが避けやすくなってるのもグッド。広大なフィールドの探索を妨げられることが少なくて、これは良い調整でした。

が、同じ理由でアクション要素が強すぎてクソ化してる部分もあります。
まず、マップが複雑怪奇に入り組みすぎていて、どこが通れる場所なのか分かりにくいこと。とにかく高低差のあるマップだらけで、平面のミニマップがまるで役に立たないのはどうにかならなかったのか。てか、マップデザインしたヤツは確実にギルティです。
そんな分かりにくいマップの中に、いわゆる「小さなメダル」要素である「ミマン探索」というものが加わり、絶望的なストレス地獄を味わうことになるわけですが、最悪、これはマップにマーキングしてもらえるのでギリギリセーフ。

今作はマップにイベント箇所や宝箱の位置などが全部マーキングされるので、メチャクチャ分かりやすくて良い仕様なのに、マップがクソすぎて良い部分が相殺されてる感じですね。というか、マーキングなかったら完全にクソゲーなレベルでミマンはどこにいるか分かんないし、イベントはアチコチで発生するしで、マジでギリギリのバランスで成り立ってるゲームでした。

一番ダメだったのはマガツカと呼ばれる敵の拠点みたいなものを破壊するイベントなんですが、これがとにかく場所が分かりにくい。どうやって行けばいいのか分からないような所に配置されてて、しかもこれを壊さないと仲魔の強化に支障が出るというダブルパンチ。
今回、このマガツカというのを壊す度に仲魔のスキル数が増えたりというパワーアップ要素が開放されていくんですが、仲魔を完全体にできるのは終盤に行くまでお預けなので、とにかく早く自由な育成がしたい一心で進めてました。そしてマガツカが見つからなくて憤死。破壊しても目当てのパワーアップが出なくて萎死。
仲魔要素をゲームを進めるエサにするのやめてほしいなあ。

戦闘はシリーズお馴染みになりつつあるプレスターンバトル。
パーティで行動回数が決まってて、敵の弱点を突いたりクリティカルが出ると行動回数が増える仕組みです。逆に攻撃を避けられたり耐性ある敵に攻撃すると行動回数が減って不利になります。
前作までは「ニヤリ」というヤベーシステムがあったんですが、今作では不採用なので、バランスは多少よくなってます。
個人的にこのシステム、全属性持ってないといけなくてスキル構成の幅が狭くなるから嫌いなんですが、本作では仲魔に得手不得手があるので、無理に全属性持たせる必要はない感じでした。クリティカルでもOKなのが良い。
ただまぁ、最終的に万能属性・貫通攻撃ゲーになるので、関係なくなるんですけどね。これはもうどうしようもない。

個人的に不満だったのは、弱点攻撃をオートでやってくれるシステムが廃止されてたことですね。
確か「4」にはあったと思うんですが、今作では通常攻撃を繰り返すオートしかなくて残念。微妙に戦闘が面倒です。

ここまで、やや不満多めに書いてきましたが、メガテンの醍醐味はやはり「悪魔合体」ですよ!
今回もその楽しさは健在で、理想の仲魔を作るために悪魔全書とにらめっこしてる時間が最高に楽しい!
スキル構成をどうするか、素材の育成はどうするか、合体順は?などなど、考えだしたらキリがないです。
特に、単純に高レベル悪魔を作るのではなく、低レベルだけどお気に入りの悪魔を、どうにかして一線級に仕上げるのがマジで面白いんですよねー。この育成の自由度の高さこそメガテンの醍醐味です。
それだけに、完全な育成環境が整うまでが長すぎるのは明確な欠点だと思います。せめて仲魔のスキル数だけでもさっさと完全開放してほしかったなあ。

今作では「写せ身」という要素があって、ぶっちゃけ『ストレンジジャーニー』の「デビルソース」なんですが、スキルを割と自由に付けられるのは良かったです。
ただ、1種類1個ずつしか持てないのはセコいなー。所持品上限もそうだけど、不必要な制限が多すぎるのはマイナスですね。
所持数上限で宝箱から入手できなくてイラッとすることが割と多め。

久しぶりのレビューで書き方忘れてるんで、とりとめなく思いついたことを羅列してしまいましたが、メガテンに求める仲魔の合体・育成要素が楽しすぎる(3Dモデルも綺麗でなお良し)ので、個人的には9点付けましたが、今のスマホゲーに慣れたプレイヤーには優しくない部分が多いので、一般評価は7点と辛目にしました。周回前提なのに引き継げない要素に面倒なものが多いのも×。
特にマップのクソさは擁護しようがないので、なんとかしていただきたい。メガテンやるような層はじっくりとRPGがやりたいのであって、アクション性とか求めてないと思うんですがどうか。
特に心折ポイントな魔王城は、さっさと攻略見て正解でしたねー。あんなんわかんねーよ。

総じて、良い部分と悪い部分が相殺しあってるゲームという印象で、非常に勿体ないなあと思います。
時代に合わせるという意味では、無料DLCの「難易度セーフティ」みたいなのもあるので考えてはいるんでしょうけど、前時代的要素(特にアイテム所持数制限)を引きずってるのは何のこだわりなのかと不思議に思います。
せめて育成面はもっと快適にしてもらいたいです。福音書と魔導書の仕様はどうにかならないものか。
まぁなんだかんだで悪魔合体は唯一無二の面白さだったんで、次回も期待してます。
それまでは最強のアルテミスと最強のイズンを作るまで楽しませてもらいますぜ。


以下、ストーリーについて(ネタバレあり)

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Switch『ドラゴンクエスト2』総評

2021年08月09日 16:56

なんとなく買ってしまったプライズのフィギュアが成形不良で顔が大変なことになっててガックリきてたんですが、そこはまがりなりにも模型を趣味にしてる人間なんで、なんとか修復できて達成感がヤバい。
やはりデジタルに置換できない現物って所有欲をメチャクチャ満たしてくれるんで、その方面のスキルを磨いていきたい所存。ゆくゆくはフルスクラッチでフィギュア作れるようになれるといいなあ。

さて、推しVがドラクエ2配信などという懐かしいゲームをやっていたので、つられてSwitch版を買って連休パワーで一気にクリアしたんで、超久々にゲームレビュー記事ですよ。まぁリハビリ兼ねて軽くって感じでー。

【クリア時間:(多分)5時間  個人評価:5点  一般評価:6点】
※中断セーブを利用して時短しています。
※※他リメイククリア済なので可能な限りショートカットしてプレイしています。

説明不要のドラクエシリーズの2作目。数多くリメイクされてる本作ですが、Switchで配信されているものはスマホ版の移植となっています。
スマホ版の特徴としては、ルーラで移動先を選べるようになっていたり、落ちている重要アイテムの位置が光って見えている等、システム面や古いゲームゆえの高難易度を緩和するように、現代的な調整がされているため、非常に遊びやすくなっていますね。
その分、情報収集無しで重要アイテムが取れてしまうこともあり、「何だこれ?」となる可能性も否定できませんが。無印での詰みポイントだった太陽の紋章なんて、多分一番最初によくわからんまま取れちゃうようになってますからねぇ。
簡単にした代わりにガバガバなゲームになった感もあるので、無印を知るゲーマーとして評価は少し下がっています。

とはいえ、実は戦闘難易度はそれほど下がっておらず、何も考えずに進みすぎると簡単に全滅する程度には難しい(というか理不尽な)部分が残っています。特にロンダルキアはFC版よりマシとはいえ、デビルロードがメガンテを簡単に使ってくるため、成功率の低いザラキを使うブリザードよりも厄介になっていたりします。
この辺はムーンブルクの王女が攻撃呪文としてバギの次にイオナズンを覚えるような原作なこともあって、ダメージ管理がかなり杜撰であり、単純に「レベルを上げて物理で殴れ」という古いRPG理論もそのまま引き継いでいるからですね。まぁ古いRPGなんですけども。
私はレベル35~30くらいでクリアしましたが、最終戦はほぼ運ゲーでした。中断セーブ無しだったら40くらいは無いと無理。敵のダメージがでかすぎて2回連続で全体攻撃がきたら全滅確定するのは流石にどうかと思うわ。
呪文の種類を増やすことでダメージ段階を増やしたドラクエ3が何故神ゲーと呼ばれるのかは「2」を遊ぶことでより理解できるので、そのために「2」を遊んでみてほしい気持ちはあります。

グラフィックは高解像度ということもあり、キャラやモンスターはイラストに近い美麗なものになっていますが、何故かマップはドットを無理やり高解像化したようなものになっていて、キャラとマップが浮いて見えるのは見栄えが悪いです。

気になる点は他にもあり、タッチ操作のスマホ版を無理やり移植した弊害か、キーレスポンスが異常に悪い。特にフィールドの移動でのストレスが大きく、落下する穴のあるフィールドでは誤操作による落下が頻発し、かなりのストレスでした。
また一部フィールドにバグがあるのか、塔探索時に障害物を突き抜けて外周から落下する現象もあり、穴がないからと適当に操作すると泣きを見ます。

戦闘のテンポもやや悪く、一番早い設定にしても全体攻撃系は時間がかかり、後半になるほどイライラしてきます。特にルカナン等のデバフの処理が異様に遅いのは何故なのか。

良くも悪くも「初期のRPG」であり、遊びやすく調整されたとはいえ根本はそのままなので、昨今のRPGとは比較するレベルにも達していないというのが正直なところ。せめてテンポよく、気持ちよい操作感で遊ばせてくれれば…と残念な部分が目立つ出来栄えでした。
ただ、昨今の複雑化しすぎたRPGに疲れた人にとっては、単純にレベルを上げてお金を稼ぐというシンプルなゲーム性が癒しに感じるかもしれません。長すぎないボリュームなのもサクッと遊ぶには悪くないです。
とはいえ、基本価格が1000円近いのは高すぎます。私はセールで700円くらいで買いましたが、ぶっちゃけ500円くらいが適正ですね。スクエニは古いゲームの値段を高く設定しすぎると思う。

まぁ本作はスマホ版移植ということもあるので、完全新規で作られているHD2Dドラクエ3に期待したいところです。
「3」でどれだけ進化したのかを味わうために本作を遊んでみるのも悪くないですが、ぶっちゃけ遊べるならSFC版やGB版を遊ぶ方がストレスは低いと思います。

PS4『ドラゴンクエスト11』総評

2017年09月07日 10:21

国民的RPGの名に恥じない、素晴らしい内容でした。
ドラクエって、こんなに面白かったんだなあ。


【クリア時間:82時間(真エンド到達105時間)  個人評価:9点  一般評価:9点】
※カジノや錬金素材集めで20時間ほど使ってます。クエストクリア率は8割ほど。


突然、「お前は勇者だ」と告げられて旅に出るといった、
序盤の強引な展開など気になる部分もありましたが、中盤以降の盛り上がりが素晴らしく、
グイグイと物語に引き込まれていく展開の見事さに脱帽。
細かい部分に仕込まれたサブキャラへの肉付けやフォローも抜かりなく、
最終的に本当の意味でハッピーエンドを迎えてくれる、気持ちのよいストーリーでした。
これは真に勇者の物語だ!

基本的なシステムは従来のドラクエ作品そのままに、PS4の表現力を活かして、
豪華なグラフィックと演出を強化しただけの作品ではあります。
良く言えば安心感があり、悪く言えばシステム的な進化が殆ど無いので、
昨今の良質なゲームが溢れかえる市場からすると、前時代感は否めません。

ただ、さすがに作りは丁寧で、特にシンボルエンカウントの使い方はとても良好。
敵の索敵範囲が狭めになっていて、また追いかけられても逃げやすかったり、
通路が広めで避けやすいようになっているので、
戦いたくなければ極力戦闘を避けることができるため、シンボル式の良さが活きています。

PS4版は戦闘も少し違って、パーティ単位でのコマンド入力ではなく、
個人単位でのコマンド入力になっています。
つまり、順番が回ってきたキャラのコマンドを選ぶと、即座に行動してくれるため、
「敵のダメージ後に回復したいのに、先に回復役が動いちゃった」といった、
計算ミスが発生しなくなっているので、戦略性が非常に高くなっています。

とはいえ、基本的にターンバトルなのは変わりないので、
素早さが高いから何度も行動できるというわけではないので注意。
それでも素早さを上げて先に動けることには意味がありますが。

フィールドマップは非常に広く、景色も美しいのはいいですが、
宝箱が背景に埋もれて見つけ難いのは減点ですね。
これは仕組みが従来作のドラクエを踏襲しながら、見た目だけ近代化した弊害で、
広い街の中から宝箱や壊せるツボといった細かい探索物を探すのが、
非常に面倒くさくなっています。
いっそのこと、マップに宝箱の位置や住民の位置を表示してくれてもよかった。

フィールドでは素材アイテムの回収も大事ですが、
これもいちいち大マップを見た上でコマンドを選ばないと場所が分からず不便。
常時表示されてるミニマップにも場所が映るようにしてくれたら便利でしたね。

コマンドメニューの使い勝手もイマイチで、コマンドそのものは充実しているのに、
ショートカット設定ができないため、いちいち「さくせん」から検索するのが面倒でした。
キーコンフィグ機能くらいは付けて欲しかったです。

フィールドが広いため、画面切り替えの頻度は少なく、ロード時間はあまり気になりません。
画面切り替え時のロードは3~5秒ほどで決して早くはないですが、問題ないレベル。
それよりは移動速度の遅さとマップの広さのバランスが悪く、
いちいち長距離歩かされるのがストレスでした。
これも見た目だけ近代化した弊害ですね。
いっそ街中でも馬に乗れるようにしてしまえばよかったのに。

敵の乗り物を奪って使えるシステムも、いまいち活かせていた気がしません。
単にマップデザイン上のギミックの一部でしかなかったので、
手に入れた乗り物はいつでも使えるくらいの便利さが欲しかったかなあ。
ドラゴンライダーのドラゴンとか、普段のフィールドで使いたかったよね。
せめて手に入れた乗り物は、ダンジョンの入口に常に置いてあるとかでもよかった。
いちいち敵から奪うとか蛮族か。

装備を強化できる鍛冶錬金はミニゲーム方式で面白かったです。
ただ、低レベルで成功しない内は楽しいですが、慣れてくると作業化するのが難点。
☆が付いた装備は自動成功で+3が作れてもよかったのでは。
強化システムも+3までしか強化できないし、強化項目も決まっているのが物足りず。
特殊効果を付加できたり、もっと上まで強化できれば更に面白くなりそうなのに残念。

とまぁ、細かい不満は多々あるし、システム的にも物足りない部分が多いんですが、
丁寧に作られていることは伝わってくるし、
特にストーリーが細かい不満を吹き飛ばすレベルで面白かったので、
最終的な評点は高めになりました。
まさかのボリュームで長く楽しめるのも個人的に評価してます。

また、細かいものも含めて、すべてのイベントを閲覧できる回想機能もついている上、
取り返しのつかない要素も救済要素が用意されているためほぼ無いという有能ぶり。
特にイベント回想は凄く嬉しいですね。ムービーだけじゃないのもポイント高い。
本当に細かいイベントまでフォローされててビックリしました。

とてもドラマチックで壮大な物語なので、是非ともPS4の美しい演出で見て欲しいですね。
まぁ、ムービーに力が入ってる分、ボイスが無いのが違和感というか物足りなさを感じるので、
ボイス追加の完全版を出してくれても良いのよ?

裏ボスは倒したけど、実は追加ダンジョンは攻略しきれていないので、
まだまだ楽しむ余地はあります。
最初は値段高すぎるだろと思ったものですが、ボリュームも内容も値段以上に楽しめました。
シリーズの集大成のような作品になっているので、ドラクエファンならマストバイ!
特に1~3に思い入れがあるオールドプレイヤーは、真エンドで泣きます。私は泣いた。
この演出は卑怯だと思う。

とにかく、ストーリーが非常に良い作品なので、ネタバレしない内にプレイしときましょう!


以下、ネタバレ有りでの追加感想。

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PSV版『ザ・ロストチャイルド』総評

2017年08月30日 09:02

【クリア時間:55時間  個人評価:9点  一般評価:8点】
※サブクエストはすべて攻略済。ルルイエロードはノータッチ。


オカルト雑誌の記者をしている主人公が、謎の魔銃ガンゴールを手にした時、
天使と堕天使、そして悪魔を巻き込んだ神話の戦いへと巻き込まれていくことになる…。
現代の東京を舞台に、敵モンスターを仲間にしながらダンジョンを攻略するDRPGです。

システム面では特に新しいことは何もないですが、
育成面での充実が素晴らしく、育成RPGとして末永く遊べる仕上がりになっています。

登場する敵モンスターは、ほぼ全て仲間にできてしまうので、
どこかでお気に入りのモンスターを見つけることができるでしょう。
ちなみに、天使=美形の人間タイプ、堕天使=サイバーなアンドロイド系、悪魔=キモい。
こんな感じでデザインは種別でかなり割り切られているので、
どこかに引っかかるところはあると思います。

基本はアドベンチャーゲームで、記事の取材という名目で情報を集め、
それを元にダンジョンを探して、探索するという形になります。
フィールドマップのようなものはないので、移動で面倒がないのはいいですね。

ダンジョンはDRPG形式ですが、ミニマップは常に表示でき、全体マップもいつでも見れます。
また、全体マップから行き先を指定すれば、自動で移動してくれる機能もあるので、
移動の手間も省けて迷うこともないでしょう。
また、ダンジョン中にメッセージ等があれば、マップでイベント場所にカーソルを合わせると、
どんなメッセージだったか確認できるので、メモを取る必要もなく、謎解きに便利です。

この作品は、ダンジョン内のギミック(仕掛け)に凝ってる部分があり、
昨今量産されているDRPG作品と比べると、謎解き成分が多めです。
ただスイッチを押していけばいいだけのものから、特定の順番で押すもの、
果ては倉庫番みたいなものまで、実に様々。
そのため、ダンジョン探索に時間がかかり、謎解きも詰まる可能性があります。
気楽に何も考えずに遊びたい、という人には不向きかもしれません。

しかし、それを補って余りある仲間の育成要素があるので、
探索は経験値稼ぎと割り切ってしまうのがいいです。

敵モンスターは、魔銃ガンゴールでの特殊攻撃で敵を倒すことで捕縛できます。
トドメを刺すだけでいいので、実に簡単。
同じ個体は1体しか同時に仲間にできませんが、個体値とかはないので、気にしなくてOK。
また、後半になると同じ個体でもレベルが高く、色違い(SIN化済)の敵も出てきますが。
捕まえるとレベル以外は初期状態に戻るようなので、あまりこだわらず、
登場したら捕まえまくればいいと思います。

成長は、主人公と相棒のルアは普通に経験値でレベルが上がり、レベルが上がった時に、
好きなパラメーターに能力を割り振る仕組みになっています。
この辺も「女神転生」みたいですね。

仲間モンスターの場合は戦闘ではレベルが上がらず、戦闘で貰える「カルマ」というポイントを、
好きな時に仲間に注ぎ込むことで「強化」という形でレベルを上げられます。
経験値を一度まとめて貯めておいて、後から好きな仲間に分配する、ということですね。

レベルを最大まで上げると「SIN化(進化)」することができ、
レベル上限と基礎能力が上がる代わりに、レベルが1に戻ります。
ただ、前述の通り経験値はプールされているので、戻し作業は簡単なのが○。

育て切った仲間は「初期化」することで、
一番最初の状態(SIN化前、レベル1、スキルリセット)に戻る代わりに、
基礎能力にボーナスがついて、素の状態より強くなれます。

これを繰り返せば、どんな仲間も最強キャラにできる…らしいですが、
成長ボーナスの計算が面倒で、とりあえず、半端に育てても強化できないようです。
どこまでも強くしたいなら、常に最強状態まで育てきってから初期化する必要があるらしく、
まさにエンドコンテンツとなっている模様。
ただ、最初の1回は適当にレベル50くらいで初期化しておくと、若干有利になるのでオススメ。

もうひとつ、「スキル移譲」という仕組みもあります。
これは、仲間が覚えているスキルを、別の仲間のスキルと取り替えるもので、
これを使えば、本来覚えないスキルを自由に覚えさせることができます。
ただし、最弱スキルと最強スキルのような釣り合いの取れない交換はできず、
また、交換の代償として移譲した先のスキルは消えてしまうので、
正確には「交換」ではないことに注意。
他人のスキルを自分のスキルを対価として「買う」というのが正しい。
なので、高いスキルを大量の安いスキルで「買う」ことも可能。

スキルはレベルアップではなく、戦闘中に閃いて覚えていきます。
覚えるスキルには系統があり、現在仲間が覚えてるスキルの系統のものしか覚えません。
逆に言えば、違う系統のスキルを覚えさせれば、その系統のスキルも覚えるようになります。
覚えられるスキルの数に上限はないようなので、好きなだけ覚えさせることができますが、
スキル数が増えるほど閃き率が落ちるようなので注意。

仲間は色々と弄れて楽しいですが、人間は装備で育成を楽しめます。
本作はハック&スラッシュ要素があり、同じ装備でも性能に差があります。
装備品は合成で強化もできる至れり尽くせりぶり。
レアな特殊効果の付いた装備を探すだけでも楽しいので、
カルマ稼ぎと一緒に戦闘が捗ること間違い無し。

かように、育成面では文句無しな出来栄えのゲームなんですが、
PSV版はとにかく全体の処理が重い(遅い)のが最大の欠点となっています。
もっとサクサクと動けば、満点付けてもよかったんですが、
快適さという点でDRPGの利点が潰れているのは如何ともし難く。

キーレスポンスの向上、戦闘速度アップ、マップ切り替え時のロード時間短縮、
これらが達成できれば、完璧なゲームとして胸を張ってオススメできるので、
アップデートされることを説に願っています。本当にいいゲームなのに勿体無いよお。

他、細かい不満として、メッセージスキップはオプション切り替え方式ではなく、
デフォルトで別のキーに割り振って欲しい。
ADVパートで行き先決定後の確認メッセージは要らない、
メニュー画面でカーソルがループする場合としない場合があって不便。全部ループさせて。
アイテム売却が面倒なので、選択してからまとめて売れるようにして欲しい。
オート戦闘は全部戦うだけの場合と、コマンドリピートの2種類付けて欲しい。
戦闘コマンドは記憶するか初期位置に戻るかをオプションで変更したい。
オート戦闘が1ターンで終了するのではなく、継続するようにしてほしい。
装備強化の結果が確率ではなく、すでに決まってるっぽいのはバグ?
アストラル編成画面の並び順がいちいち初期状態に戻るのイラつく。
ワープアイテムで階層移動できないのが面倒くさい。
ダメージ床回避の温泉はクリティカルしたらダメージ無効でもよかったのでは?
アイテムのスタック数を増やしてほしい。せめてSIN化アイテムはまとめさせて。
イベント発生場所は全体マップにもアイコンで表示して欲しい。
セーブデータは最新のデータにカーソルが合うようにして欲しい。
ダンジョン内の移動速度は、もう1段階早くてもいい。

…ふぃー、こんなもんかな。
思った以上に細かいところでの不満が多いんですよねぇ。
まぁ、最大の問題点は動作の快適さなので、ここさえ改善してくれたら、
他の細かい不満は目を瞑ってもいいレベルです。

とにかく、ダンジョン探索が楽しい! 育成が楽しい!! ハクスラが楽しい!!!
と、理想的なDRPGになっているので、是非ともアップデートして頂きたい!
これはもっと大切に育ててほしいIPですよ。

最後にストーリーですが…。
巻き込まれ系ストーリーな上に主人公が喋らないタイプなので(選択肢で自己主張はできる)、
最後の最後までいまいち当事者としての実感に欠けていた感じです。
クトゥルーの邪神と戦ってる間も、「何でこんなのと戦えてるんだ?」という疑問があって、
盛り上がる展開のはずが、感情移入しきれなかったんですよね。

これは主人公の「選民」という設定が、
単に「天使に選ばれて魔銃が使える」というくらいしかプレイヤー側には情報がなくて、
屈強な肉体があるとか常人にはない能力があるといった、超人設定が全然見えないことから、
「何で一般人が邪神と戦えるんだ?」という疑問を払拭できず、
なんとなく乗り切れないまま流されているように感じたのが原因ですね。
多分、いきなり大物と戦ったのが悪かったんだと思います。
最初のボスが邪神ハスターとかどうよ。普通に勝っちゃうし。

これは私の感覚なので、そこを気にしなければ、割と王道展開で悪くないんですよ。
ルアの姉バルシアの経緯とか変化球で凄く良かった。
サブキャラもサブクエストで補完されてるし、全体的に丁寧に作られてはいるんですよねぇ。

本編の10倍以上のボリュームがあると言われるルルイエロードというおまけダンジョンもあるし、
じっくりと末永く遊べる良作なので、しっかりとサポートしてほしいですね。
全体としての感想は、「とにかく勿体無い」「惜しい」という感じです。
PSVには優良なDRPGが多くあるので、それらを押しのけてまでオススメするには、
とにかく動作の快適さを改善してもらわないと話になりません。
逆に言えば、そこさえクリアできたなら、自信を持ってオススメできるので、
アップデートで化ける可能性に期待したいですね。

3DS『真・女神転生4』総評

2017年08月21日 22:19

経験値&資金稼ぎDLC使用、1週目Nルート攻略でのレビューです。
チャレンジクエストは納品と2週目以降限定以外はクリア済。攻略情報は参照してます。
難易度はデフォから1段階下げてます。
魔人はノータッチ、合体事故も狙ってませんが、悪魔全書は8割くらいは埋まってると思います。

【クリア時間:60時間  個人評価:8点  一般評価:8点】

謎の楽園「東のミカド国」のサムライに選ばれた主人公が、
楽園を侵食する悪魔の脅威を追う内に、世界の真実を知ることになる、
天使と悪魔と人間たちの戦いの物語です。
従来のメガテンとは違い、ファンタジックな世界観に違和感ありますが、
ちゃんと東京がメインの舞台になるので、ご安心(?)を。

シリーズ伝統の1人称視点によるDRPGスタイルを廃止し、
3人称視点のTPS風RPGとして新生した新シリーズです。
エンカウントもシンボル形式になりました。

メガテンらしさは、より便利に面白くなった悪魔合体と、
ロウ、カオス、ニュートラルの3種類のルート分岐によるマルチエンド方式くらいで、
ゲームの外観が変わったことで、かなり印象も変わりました。

難易度はデフォルトのままだと相当キツく、
2回以上ゲームオーバーになることで難易度変更が可能になるので、
死んでもリセットはせずに、素直に対価を支払っておきましょう。
私は難易度を下げてプレイすることで、相当ストレスが減りました。
デフォルトは難しいというより理不尽さを感じるレベルです。

また、DRPGではなくなったことで、移動の手間が若干増えたこと、
移動速度がやや遅い上に、ワープポイントの使いにくさ(遠さ・少なさ)から移動量が多く、
探索(迷子)のための移動ばかりしていたように思います。

メインとなる舞台が東京であるため、基本的に目的地は地名で表示されますが、
馴染みがないと場所の見当がつかない上に、道路のあちこちが封鎖されているため、
とにかく迷いまくるのが困りました。プレイ時間増大の犯人は主にコレ。

一応、空飛ぶ乗り物もありますが、手に入るのは物語も終わる頃な上に、
自由に移動できるわけでもないので、意義が薄いのが難点。
でも移動のストレスはかなり減ります。もっと早く欲しかったなあ。

3Dでの3人称視点になったことで視点移動が必要なんですが、
3DSだとLRボタンで左右見回し、十字キー上下で視点の上げ下ろしになります。
また、足元や高所への移動は上下の視点移動が必須で、非常に面倒です。

シンボルエンカウントも、敵の姿が曖昧なので、何が出てくるか判別し難いのと、
雑魚戦回避には特殊スキルを使用した上で攻撃アクションを当てる必要があるため、
アクションが苦手な人では回避できない問題もあります。
雑魚回避スキルが時間制なのもイラつく。

資金稼ぎの基本が拾ったアイテムの売却制になり(換金アイテム専用の採取場所が多い)、
世界観的には合っているものの、稼ぎの手間が増えたのと、ただでさえ多い移動量が、
これのおかげで更に増える要因になってもいます。
ちなみに資金アイテム採取場所は一定時間で復活する仕組み。
悪魔合体を快適にするには大量のお金が必要なのに、稼ぎ効率が非常に悪いので、
さっさとDLC買っちゃう方が快適に遊べていいと思います。

アイテムに関してはもうひとつ不満があって、アイテムによって所持数上限に制限があり、
強力なアイテムは所持上限が5個とか2個とかしかなく、
宝箱で見つけても持ちきれず入手できないことが多かったんですね。
いわゆる「ラストエリクサー症候群」を患ってる人にはストレスが溜まる仕様でした。

戦闘は、敵味方交互に動くターン制ですが、
行動回数が決められている「プレスターン」という特殊なものです。
基本的に人数分の行動数ストックがありまして、クリティカルや弱点を突くなど、
有利な攻撃をするとストックが増えて、行動回数が増えます。
逆に、攻撃を外す、攻撃を無効化される等、不利な行動をすると行動数が減るので、
有利な側は更に有利に、不利な側は更に不利になる仕組みとなっています。
基本的に先手必勝が求められる仕様は好き嫌い分かれそうですね。
私はあまり気に入ってません。

というのも、弱点を突くことはほぼ必須なので、取得スキルがほぼ固定化されるんですよね。
全属性揃えておかないと不便で仕方ないので。
自由に育てるには戦闘での不自由を許容するしかないのはどうかと思う。

ただ、オート戦闘のスピード感は悪くないですね。
デフォルトでは使えませんが、オートで弱点攻撃してくれる「弱点オート」というのがあって、
全属性で攻撃できるようにしておくと、オート戦闘だけでガンガン進められるのは楽ちん。

不満はまだあります。
このゲームにはストーリー本編に関わる「メインクエスト」と、
寄り道要素である「チャレンジクエスト」があるんですが、
クエストは納品系以外は、メインとチャレンジ合わせて1つしか受注できず、
更に、受注してないとイベントが発生しないというクソ仕様なため、
クエスト一覧には表示されていて、イベント発生場所にも行ったのにイベントが始まらない、
などという紛らわしいことが多々発生します。

また、チャレンジクエスト進行中に、メインクエストを進める場所に行ってしまうと、
メインを進めるためにはチャレンジクエストを中断(ギブアップ)する必要があります。
ギブアップのペナルティはありませんが、時間的な労力の無駄遣いがペナルティですね。

とまあ、ここまで書いて不満だらけだったことに我ながら驚いてるんですが、
悪印象を忘れさせるほどに「悪魔合体」が面白かった、というのもあります。

メガテンの伝統として、敵として登場する悪魔を仲間(仲魔)として育成できる仕様があり、
「悪魔合体」とはその名の通り、仲魔を合体させることで、別のもっと強い悪魔を作る仕組み。
更に、合体元の悪魔が持つスキルを自由に継承させられるので、
好きなスキルを持った悪魔を思うまま作れるのです。
ちなみにスキル継承は選択制になったので、過去作より格段に手間が軽減されてます。
昔はランダム継承や特定スキルの継承法則とかあったんですよねぇ。

悪魔を仲魔にするには、戦闘で会話での交渉が必要ですが、
一度でも仲魔にすれば、「悪魔全書」という仲魔の辞典のようなものに登録されて、
以降は相応のお金を払うことで、自由に呼び出せるようになります。

また、悪魔全書には育成後のデータの悪魔を登録することも可能で、
便利なスキルを持たせた悪魔を登録して、スキルの増殖や分配もできます。
お金さえあれば、まさに好き放題合体させまくれるので、
楽しすぎて合体ばかりしてしまうんですね。
そういう意味でも、金稼ぎDLCは超有効なんです。

総じて、悪魔合体に関する部分以外で不満の多い作品でした。
しかし、謎めいた世界観と王道なストーリーはなかなか面白かったし、
きちんとスキルを揃えれば格段に戦闘が楽になる仕様も悪くなかったです(好き嫌いは別の話

ルート分岐が多い割に、セーブ数が2つと少ないのは不満ですかね。
4大天使登場のおぞましいムービーが見たいがためにセーブ残したかったのに。
イベント(せめてムービーだけでも)リピート機能が欲しかったなあ。

うん、結局不満が多いという結論になってしまった(苦笑
不満は多いけど、相応に楽しむこともできたので、総じて悪い印象はありません。
今なら中古の値段も格安なので、遊ぶゲームがないなら、
選択肢に入れても悪くないと思います。

ちなみに、続編である「FINAL」は、
上記の不満のほぼすべてを解消した凄まじい良作に生まれ変わっているので、
そちらだけ遊べばいいという本音は、ここだけの話にしときますね(ぉ



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