「無料」はもう得じゃない

2012年03月30日 19:53

ファンタシースター・オンライン2(以下、PSO2)の情報が色々出てきましたね。
一番の驚きはパッケージすら無料のDLゲーだったことですが。

まぁそれだと利益が出ないので、当然収益は別の部分で出すわけです。
形式は昨今のソーシャルゲーと同じなんで、色々な課金がメイン。

で、ちょっと思ったわけですが、本体が無料とはいえ、
こういうゲームは基本的なシステム部分が最初は不親切な設定なわけですよ。
例えば倉庫が狭いとか、アイテムの所持限界数が少ないとかね。
それを改善するために課金が必要ということなんだけど、
これってどうなんですかね。
なんだかお得な感じがしませんがー。

PSVのリッジの時に似たような記事を書きましたが、
あれとはまた別の問題な気がします。
恐らくはジャンルの違いの影響なんでしょうけども…うーん。

以前、私は
「本体が安くて、あとは好きなものを取捨選択して課金する新しいビジネスモデル」
として、PSVリッジをある程度評価しました(売り方は失敗だと思ってますが)。

ただこれは、
全部購入すると丁度フルプライズに収まる程度の値段であることが条件の話。
それを越えると単なるボッタクリになります。
現在のPSVリッジはアイマスDLCの登場でそうなりつつありますね。

話を戻してPSO2のこと。
「基本無料」を謳ってしまうと、
どうにも課金という言葉自体に過剰反応してしまうようです。
つまり、ゲーム全編通して1円たりとも払いたくなくなるわけです。
それはゲームのデキは関係ありません。
無料なんだから無料で遊びたいだけです。

これがパッケージとして1000円程度でもいいからお金を払うと、
ちょっと話が変わります。
「無料」ではないので、追加でお金を払う抵抗感が若干薄れるのです。
ちょっと変に思われそうですけど、私の感覚としてはそう感じます。

つまり、PSVリッジのDLCにお金を払うのは、
「そういうもの」だと納得した上で本体を購入しているため、
追加課金も折込済みな購入になります。
その分、お得感は感じ難くなりますが、
代わりに損をしているという印象も減る傾向にあるように思います。

しかしPSO2の場合、「基本無料」なので、1円も払わずとも遊べるわけです。
そうなると、追加で課金することが「損した」気分になります。
無料で遊べるものに何で金払うんじゃと、そういうことです。
そうなると、無料で遊べるお得感より、損をした気分の方が強く出てしまい、
結果としてイメージはマイナスの方に傾くのではないでしょうか。
基本的にネガティブなイメージの方が、強い印象を周囲に与えるものですから。

仮にPSO2の課金が、
快適に遊ぶために総合的な値段がフルプライズと同じになるとするなら、
「最初からパッケージで売れよ」という話になってしまい、
やはりあまり好意的に受け止められるとは思えません。

もちろん、基本無料にするメリットは、
「多くの人にプレイしてもらえる可能性を上げること」なわけですから、
最初からフルプライズで出すよりも利益を出しやすいのでしょう。
そうでないと、この市場はここまで成長してません。

ただ、我ながら不思議なことに、このPSO2の「無料」については、
全然お得な印象がありません。
それは「無料」という言葉の「嘘」に、そろそろ気付いてるからでしょう。
それなら月額制とかの方が、まだ良心的な気がしてくる不思議。

あとはアレです。PSO2はつまり「ネットゲー」だからですね。
PSVリッジは料金体系こそ似てますが、従来のパッケージゲームの亜種なだけで、
基本的に手元に永遠に残るタイプのゲームです。
PSO2の場合はサービス終了がゲームの終わりになるタイプなので、
同じ金額を払った場合のお得感が、この時点で比べるべくもないんですよね。

ただ、ネトゲは基本的に長期的スパンでプレイするものなので、
費用対効果は良いものが多い、はず。
なので、「長く遊べる」という点において、PSO2は悪くない作品になるはずです。

が、それと「お得感」というのは別の話なので、
初期印象だけを言うなら、PSO2はお得に思えません。
むしろ基本無料じゃない方がよかったとすら思います。
そもそもPSOというシリーズの良い点は、
オフラインでも遊べることじゃないかと思っているわけですが、
その辺はバッサリと切り捨ててきたんですかね。

この辺の感覚は個人差もあるでしょうし、伝わり難い部分だと思うので、
「いや、無料だし得に決まってるだろ」という意見も当然あると思います。
しかし、ただ「無料」にするだけではお得に思えない事実もあることは、
ちょっと知っておいて欲しいなぁと思います。
人間心理は複雑なんですよ。

最終的な結論は、実際に配信されてみないと分かりませんが、
何事も新しいことには偏見がつきものなので、
この記事も、そうした杞憂を不毛に議論しているだけなのかもしれません。
また、そうであることを願ってもいます。

そういえば、シェルノサージュもフルプライズなんですが、
私はこれ、むしろフルプライズだから安心してる部分もあるんですよね。
「金払ってるんだから、相応に楽しめるはず」という信頼の値段なのです。
お金を出すということは、そういうことです。
だからこそクソゲーは全力で叩くし、良作に出会えたら心底嬉しい。
ある意味でゲームを買うというのはギャンブルです。

そこに現れた「基本無料」のゲームというのは、
お金を払わないことでメーカーに免罪符を与えている気がするのです。
つまり、「ゲームがつまらなくても許してね。無料だし」と言われているようで、
物凄く不安になります。

「無料」というのは「お得」とイコールではない。
少なくともゲームに関しては、正しい認識かもしれませんよ?



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