ゆうきりん『GOD EATER 禁忌を破る者』読了

2011年02月08日 20:20

PSPで発売されたハンティングACT「ゴッドイーター」のノベライズ作品。

無印ではダウンロードミッションでのみ遭遇できた
「接触禁忌アラガミ」を専門で狩る部隊「アーサソール」の活躍を描いた物語である。

アーサソールは実験的な部隊であり、構成員は4人だが、
その内ゴッドイーター(戦闘要員)は1人だけ。
残りは運転手に整備士に研究者と、いかにも胡散臭い。
物語はこの4人がゲーム版の舞台であるフェンリル極東支部に来る所から始まる。

ここまでで専門用語が大量に出ているので、意味が分からない人もいることだろう。
そういう人はググってくるよろし(お約束
ここではゴッドイーター(以下、GE)の知識があること前程で話を進める。
あと、ネタバレを含むので、続きは追記に回しておきます。


以下、正直な感想
さて、フェンリル極東支部が舞台ということで、
当然、ゲームに登場したキャラクターも出てくる。
しかし、メインとなるのはリンドウくらいで、他のキャラは顔見せ程度。
アリサなどの活躍は期待してはいけない。
ただ、アリサが主役のノベルはすでに2冊も発行されているので、
そういう人はそちらをどうぞ。ここでもその内感想書きます。

で、この本の見所はというと、あまり詳細な描写のないアナグラや、
外部居住区の生活ぶりが見れることだろうか。
配給のやり取りなどは非常に興味深い。

逆に言うと見所はそれくらいで、本編は正直あまり面白くない。

まず、新キャラをメインにするにはキャラ立てが不十分で、
キャラにあまり魅力を感じることができない点がある。

この本を手に取る人間の大半はゲーム版のファンであろうから、
どうしてもリンドウに目がいくし、
そのくせ新キャラはリンドウに噛み付くので、これは非常に好感度が低い。
そして、特にリンドウと分かり合うわけでもなく、
状況に流される形で和解(?)するような結末なので、消化不良気味。

新キャラ4人が中心となる話で、1人がすでに分かり易い悪役なのだから、
他のキャラまで心象を悪くする必要はなかったのではないか。
もちろん、キャラクターの設定を活かしたリアルな対応の結果であるのだが、
その結果、読者がキャラクターにどういう感情を抱くかまで考えられていない。
作者の独りよがりで終わってしまっているというのが、
読み終えた時点での感想である。

これはキャラクター…特に主人公であるギースの設定を凝りすぎたことが原因。
ギースは抱えている問題が多すぎて、それを解消するには文庫1冊ではまるで足りない。
それほど濃密なキャラクターなのである。
本来はもっと丁寧に描写される必要があったのに、
あまりに性急に話を進めすぎた結果、
良い印象に転じる前に物語が終わってしまったというのが正しいだろうか。

もうひとつの問題は、アラガミの弱さと登場数の多さ。

この作品には、接触禁忌とされる特殊なアラガミが登場する。
ゲームでは大して強くない奴らであるが、
だからといって小説でまで弱くするのはマズイ。

アラガミとは、ゴッドイーターにしか狩れない、
それでいてゴッドイーターをも喰らう、世界の絶望の象徴なのである。
しかもこの作品に登場するのは、その中でも特別なアラガミだ。
存分に脅威を伝えるべきだと思う。

しかし、ギースはそれなりに手こずりながらも、
割とアッサリとそれらを倒してしまう。
1冊で3体もの大型アラガミを仕留めさせるなんてことをすれば、
個々の描写が薄くなるのは必然であり、ともすれば楽勝なイメージもついてしまう。
実際、最初に遭遇するスサノオの雑魚っぷりは悲しくなるほどだった。

良く言えばスピーディー、悪く言えば簡素。
とはいえ、本来簡素にしてはいけない部分を切り詰めてしまった結果が、
今の私の感想なのである。

最後は、ゲームをやっていることが前程であること。
しかもクリアしていないと、完全に理解することはできないとかどうなんだ。

これはゲームとリンクしているという本来ならファンへのご褒美であるのだが、
それにしても描写が無さすぎる。
唐突に固有名詞が登場し、それに対する説明がほとんどないため、
本当に未プレイな人には、ツクヨミの存在は謎だらけだったことだろう。
そしてシックザールの計画は小説版の話と一切関係がないため、
解決されるのことのないサブエピソードの伏線が
張られるだけ張られて放り出された形になってしまってる。

これはゲームをプレイしている人間にはまるで問題のないことなのだが、
だからといって投げっ放しでいいものではない。
これは構成力不足と言うしかないだろう。
もしくは、バンナムの方からの無茶振りの結果なのかもしれないが。

かように、急ぎ足で物語を進めすぎたきらいがある。
徐々にキャラクターに親近感を抱かせ、
イクスにはもっと嫌悪感を与えるべきだったのに、
読者の感情がそこまで辿り着く前に物語が終わってしまうのである。

イクスとか本当にどうでもいい悪役で終わっちゃったからなぁ…。
どうでもいいキャラが、どうでもいいキャラをどうしようと、
読者にとってはどうでもいいのである。
そこに何かを求めろというのは酷な話だ。

GEは陰謀渦巻くドロドロとした世界であることも魅力のひとつであるが、
最初のノベライズでもあったことだし、
もっと単純でスカッとする話にするべきだったのかもしれない。

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コメント

  1. | URL | -

    書きたいことだけ先行して中身スカスカって正にこのブログじゃん…糞つまらない自虐ネタ?

  2. 岳る | URL | -

    Re:ゆうきりん『GOD EATER 禁忌を破る者』読了

    >名無しさん
    このブログはチラシの裏をコンセプトに運営しているので、中身がないのは仰るとおりです。
    つまり、どの記事もただの戯れ言ですので、真に受けないことが賢明ですよ。

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