2011年03月04日 16:48
今回の記事は「魔法少女まどか☆マギカ」と、
TRPG「ダブルクロス」を知らないと意味が分からない上、
「まどか☆マギカ」の重大なネタバレを含みます。
上記を了承された方だけ、追記にお進みください。
以下、正義心だけでは限界もある
TRPG「ダブルクロス」を知らないと意味が分からない上、
「まどか☆マギカ」の重大なネタバレを含みます。
上記を了承された方だけ、追記にお進みください。
以下、正義心だけでは限界もある
「魔法少女まどか☆マギカ」を見てて思ったことは、
これって要は『ダブルクロス』だよね、ということ。
魔法少女(オーヴァード)は魔女(ジャーム)と人知れず戦いを繰り広げ、
誰に感謝されることもなく、やがては自身も魔女となってしまう。
魔女を倒す(クライマックスのボスを倒す)とグリーフシードが手に入り、
魔力を回復する(侵食率を引き下げる)ことで、日常を続けることができる。
ほら一緒。
で、『ダブルクロス』と「まどか☆マギカ」の違いは、
魔法少女(オーヴァード)をバックアップしてくれる組織があるか無いか。
『ダブルクロス』にはUGNというオーヴァードを保護し、
力の使い方を教えてくれたり、救援要請に応えてくれたり、
敵の情報を教えてくれたり、後始末をしてくれたりと、
本当にありがたい組織があるわけよ。
そして重要なのは、単に便利ということではなく、
彼らの孤独な戦いを知り、認めてくれる人々がいる、ということ。
たとえ救った本人から感謝の言葉はなくても、
彼らが世界を守った事実は、確かに誰かの記憶に残される。
それはとても救われることではないだろうか。
「まどか☆マギカ」において、青い子が壊れてしまったのはまさにそれが理由で、
彼女は自分がどれだけ傷つき、頑張ったとしても、
誰ともその労を分かち合えない状況に追い込まれたことにより、
色々とダメになってしまった。
「まどかが居たじゃん」とか「赤い子とかもいたじゃん」というのは反論にならない。
何故ならまどかは同じ立場(魔法少女)ではないため、
本当の意味での苦しみを理解できない。それは作中でも語られている。
そして赤い子などは『ダブルクロス』で言うならばファルスハーツであり、
思想理念が食い違う青い子(UGN寄り)とは相容れないのである。
必要なのは同じ立場でかつ同じ理念を持つ同志なのだ。
で、実はこういった「組織」の必要性は、
「まどか☆マギカ」だからこそ必要なものでもある。
何故なら、他の魔法少女物には、
「魔法を使いすぎると怪物になる」などという恐ろしい制約は存在しないからだ。
世界を守るために戦うことが、
本当の意味で魂を削ることである魔法少女は彼女たちだけだ。
それは肉体的危険性と平行して危惧しなければならないことで、
精神的プレッシャーは他作品の魔法少女の比ではない。
だからこそ、負担を軽減し支えになる「何か」が必要となるのだ。
まぁ、「まどか☆マギカ」は、
そういう仕組みを作らないことこそが物語上の思惑でもあるので、
そう考えれば、やはり救いのない話だなぁと理解が深まるわけである。
脚本家の悪意がこういった側面からも伺えるというものですね。
これって要は『ダブルクロス』だよね、ということ。
魔法少女(オーヴァード)は魔女(ジャーム)と人知れず戦いを繰り広げ、
誰に感謝されることもなく、やがては自身も魔女となってしまう。
魔女を倒す(クライマックスのボスを倒す)とグリーフシードが手に入り、
魔力を回復する(侵食率を引き下げる)ことで、日常を続けることができる。
ほら一緒。
で、『ダブルクロス』と「まどか☆マギカ」の違いは、
魔法少女(オーヴァード)をバックアップしてくれる組織があるか無いか。
『ダブルクロス』にはUGNというオーヴァードを保護し、
力の使い方を教えてくれたり、救援要請に応えてくれたり、
敵の情報を教えてくれたり、後始末をしてくれたりと、
本当にありがたい組織があるわけよ。
そして重要なのは、単に便利ということではなく、
彼らの孤独な戦いを知り、認めてくれる人々がいる、ということ。
たとえ救った本人から感謝の言葉はなくても、
彼らが世界を守った事実は、確かに誰かの記憶に残される。
それはとても救われることではないだろうか。
「まどか☆マギカ」において、青い子が壊れてしまったのはまさにそれが理由で、
彼女は自分がどれだけ傷つき、頑張ったとしても、
誰ともその労を分かち合えない状況に追い込まれたことにより、
色々とダメになってしまった。
「まどかが居たじゃん」とか「赤い子とかもいたじゃん」というのは反論にならない。
何故ならまどかは同じ立場(魔法少女)ではないため、
本当の意味での苦しみを理解できない。それは作中でも語られている。
そして赤い子などは『ダブルクロス』で言うならばファルスハーツであり、
思想理念が食い違う青い子(UGN寄り)とは相容れないのである。
必要なのは同じ立場でかつ同じ理念を持つ同志なのだ。
で、実はこういった「組織」の必要性は、
「まどか☆マギカ」だからこそ必要なものでもある。
何故なら、他の魔法少女物には、
「魔法を使いすぎると怪物になる」などという恐ろしい制約は存在しないからだ。
世界を守るために戦うことが、
本当の意味で魂を削ることである魔法少女は彼女たちだけだ。
それは肉体的危険性と平行して危惧しなければならないことで、
精神的プレッシャーは他作品の魔法少女の比ではない。
だからこそ、負担を軽減し支えになる「何か」が必要となるのだ。
まぁ、「まどか☆マギカ」は、
そういう仕組みを作らないことこそが物語上の思惑でもあるので、
そう考えれば、やはり救いのない話だなぁと理解が深まるわけである。
脚本家の悪意がこういった側面からも伺えるというものですね。
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- キュゥべえの理屈の矛盾と彼女たちが逆襲するためにできること
- 正義の味方に必要なもの
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コメント
T-H | URL | mQop/nM.
はじめまして
まどか+ダブルクロスのネタをあさり辿りつきました。
さやかの魔女化はダブルクロスで言えば、力を使いすぎた上に告白現場や電車の会話で余計に衝動判定し、さらに3つの初期ロイス(まどか、仁美、恭介)をことごとくタイタスにしてしまった感じですかね。
>必要なのは同じ立場でかつ同じ理念を持つ同志なのだ。
ただ過去ループでマミがいたりまどかが魔法少女になっていても魔女化してしまったので…何が足りなかったんだろう?
( 2011年04月21日 02:51 [編集] )
岳る | URL | -
Re: 正義の味方に必要なもの
>T-Hさん
ども、はじめまして。コメントありがとうございます。
ダブルクロス&まどマギという組み合わせに食いついてくれる人がいるとは思いませんでしたw
システム的に考えればそうですね。というか、このシナリオのGMは鬼ですw
日常に帰す気が更々ありませんよね。
この記事を書いた時点では、過去ループの話がまだ放映されていなかったので、その点が考慮されていない考察なのが、我ながら無念。
まぁ、UGNみたいな組織があろうと、気心の知れた仲間がいようと、ジャーム化する時はするんで、結局のところ、マミさんや魔法少女まどかが居ても、魔女化する確率が多少下がる程度ということなのかもしれません。バックトラックは確実に成功するものではありませんし。
ただ、過去ループ時のさやかの魔女化が、ロイスを失ったからなのか、単に魔力の使いすぎ(侵食率の引き下げ失敗)によるものかで、話は変わると思います。
支えてくれる仲間が居たループ版さやかは、絶望するだけして魔女になったとは限りません。もしかしたら、仲間が居たことで心は救われていたかもしれないのです。その差は大きいのではないでしょうか?
( 2011年04月21日 15:15 [編集] )
ケファ | URL | hAM0ZJR2
でも
組織も魔女化しますよ。
国家しかり、宗教しかり、企業しかり。
( 2015年05月17日 09:37 [編集] )
岳る | URL | -
Re:正義の味方に必要なもの
>ケファさん
まさに『DX3rd』ではそうなってしまったわけですが(苦笑
とはいえ、人間は社会的な生き物ですから、自分を守ってくれる組織は必要ですし、重要なのは自身にとっての「正義」を見極める力なのかもしれません。
( 2015年05月17日 13:12 [編集] )
ケファ | URL | RDOzrj2M
全ての魔法少女は
必ず破滅するから、一人ひとり、後悔しない破滅の仕方、覚悟出来る破滅の仕方を選ばないといけないですね。
( 2015年05月17日 22:04 [編集] )
岳る | URL | -
Re:正義の味方に必要なもの
>ケファさん
問題は、普通の(?)魔法少女たちは、自分が破滅するという事実を知らないまま最後を迎える(最後の最後で知るからこそ絶望が生まれる)ので、そういった覚悟を持つ、悔いなく生きる、という方向に考えが向かないことなんですよね。
まどか達はインキュベーターにしてみれば、むしろイレギュラーでしょうから。
考えてみれば、「魔法少女が魔女化する」という事実そのものが、あの世界では周知されてないわけだし、UGN的な組織が生まれる土壌が存在しないんですよね。
本当に救いがない設定作ったもんですw
( 2015年05月17日 22:37 [編集] )
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