PSP「セブンスドラゴン2020」総評

2011年12月28日 21:54

まず最初に言っておきたいことは、
この作品がとても丁寧に作られた良作であるということ。
派手なムービーや目を惹く新システムもない、なんとも地味で古臭いRPGだけど、
だからこそ安心して遊べるとも言えます。

最近のムービーゲーに飽き飽きしている人や、
RPGを最後まで遊ぶ気力が湧かない、かつてのRPG好きにこそ、
是非ともプレイしてもらいたい作品です。


【クリア時間:39時間 クリアレベル:63 個人評価:8 一般評価:8】


サブクエストはコンプリート、人命救助もほぼ全部達成、ドラゴンは絶滅済み。
隠しダンジョンは入口をウロウロした程度です。
ようするに、できることはほぼ終わらせてからクリアしました。
なので、一直線でクリアを目指すと30時間くらいで終わるかもしれません。


ドラゴンの襲撃により、人類がほぼ絶滅寸前にまで追い込まれた地球。
日本最後の砦となった東京都庁を拠点とし、人類最後の反撃が始まる――。



デフォルメされたキャラクター造詣とは裏腹に、ストーリーはなかなか重くてシビア。
逆に、重いからこそデフォルメキャラで重くなりすぎないようにしている節があります。
主要キャラが容赦なく死んでいくハードな話ですが、
だからこそ「命」というものについて考えさせられる良いシナリオだと思います。

このゲームで一番の見所は、実は一般市民たちの普通のテキストにあります。
イベント毎に変化する住民たちのセリフは、
彼らにもそれぞれに生活や想いがあることを伝えてくれます。
実際、関係性が変化する過程を見るのが凄く楽しかったです。
特にムラクモ居住区右にいる女性の話は泣けます。
攻略には関係ありませんが、小まめに住民たちの話は聞いておくべし。

個人的に強く印象に残っているのは、
自衛隊員が任務を果たせず、逆に要人を死なせてしまった時のセリフですね。
ネタバレになるので詳細は書きませんが、この僅か2~3行のテキストで、
このゲームには神が宿っていると実感したのです。
こういう部分を蔑ろにしないことは好感が持てます。

ゲームとしては非常にオーソドックス。
コマンド選択式の戦闘で敵を倒し、経験値を貯めてレベルを上げて、
スキルポイントを貯めてスキルを覚えて、お金(資材)を貯めて装備を買う。
まさに昔ながらのRPGですね。

ポイントとしては、雑魚戦はサクサクなのに、ボス戦は途端に歯応え抜群になる点。
スキルの選択、状況判断が重要になる、緊張感溢れる戦闘が楽しめます。
雑魚戦が楽な分、メリハリが効いていて良い塩梅です。

選べる職業が5つと驚くほど少ないものの、
回復役が必須ではない絶妙の戦闘バランスにより、
本当に好きなパーティが組めるのは素晴らしい。
また、職業の数が少ない分、1つの職が覚えるスキルの数が膨大で育て甲斐があります。

序盤のクエストをクリアすると、
音楽に初音ミクバージョンを選択できるようになる、おまけ要素もあります。
全BGMに対応し、曲がすべてアレンジ版に切り替わる豪華なおまけです。
残念ながら、ミクは物語にはほとんど関与しない上に、
ミクアレンジもハミングが主で、歌入りは2曲(都庁とドラゴン戦)だけですが、
気分転換に丁度いいので、「無いよりはあると嬉しい」要素となっています。

驚くほど不満のない、本当に丁寧に作られた作品ではありますが、
気になる部分がないわけでもないので、少しだけ書いておきます。

まず、キャラメイクの幅が狭い点。
単純にキャラグラフィックだけの問題で、
せめて髪の色くらいは変更できてもよかったと思います。
でも大量の有名声優を起用したキャラボイスは、
職業毎でもそれぞれセリフが変わるようで、これは色々なキャラを作りたくなります。

次は、都庁の改修の自由度の低さ。
何時でもどんなフロアから改修できるというわけではなく、
改修順番に至るまで強制される場合があるのはやりすぎ。
展開の都合があるとしても、もう少し自由さを感じられるようにはできなかったものか。

もうひとつは、視点変更ができない点。
3Dポリゴンで構成されたフィールドでありながら、視点は常に固定です。
マップも表示されるので不都合はありませんが、
どうせならグリグリと見回してみたかったですね。背景キレイなんで。

最後は、戦闘中に状態変化をもっと見やすくして欲しい点。
このゲームでは、キャラの強化や補助がとても重要なので、
常に複数の補助効果が掛かっているのが普通だと思うのだけど、
今、どんな効果が掛かっていて、何ターンまで有効なのかとか、
そういう詳しい情報まで見れないのが不便だなぁと思いました。
アイコンは表示されるけど、パッと見て判断できないことが多いので。
メッセージのログが早く流れてしまうのも理由のひとつ。

概ね、不満は細かい部分ばかりですね。
あ、スキルのバランスについても問題があるかも。
特に奥義が強すぎて、これを取得してしまうと、
ボス戦が恐ろしく楽になってしまうのです。
いきなり覚えられるものではありませんが、
後半になるほど戦闘は楽になる傾向があるので、
せっかく歯応えあるボス戦が楽しいゲームなのに、勿体無いなぁ、と。

総じて、とてもよくできたRPGだと思います。
至る所から丁寧に作られたことが感じられて、気持ちよくプレイできます。
ちょっと親切すぎるのはアレですが、
そのおかげで最後までプレイする気力が続いたとも言えるので難しいところですね。
とりあえず、途中で中断しても、
クエストの途中経過や、本編で次にどこに行けばいいのか確認できるのは嬉しいです。
本当に便利。

さすがに目新しいものもなく、作りもオーソドックスすぎるので、
評価としては高く設定できないのですが、良作であることは間違いないです。
お正月はコタツに入りながらドラゴン退治というのも、いいかもしれませんよ?

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