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女装で始まる青春群像『リバーシブル!』最終巻

2014年02月27日 19:56

男の娘専門雑誌という超チャレンジャブルな内容で話題になった「わぁい!」が、
次号で休刊になるそうで、「え、リバーシブルの単行本どうなるの!?」とオロオロしてたら、
最終巻が普通に発売されててホッとしたりなんだり。
休刊前に無事に終了できてよかったと喜ぶべきか、
もう少しこいつらの日常を見ていたかったなぁという寂しさを嘆くべきか。

このブログでも何度か紹介した気がしますが、この『リバーシブル!』は本当に面白いので、
色々な偏見は捨てて、とりあえず読んでみて欲しい作品なのであります。

そもそも、この作品で扱ってるのは「男の娘」ではないんですよね。
ひょんなことから生徒の半分が交代制で女装する変な学校に入っちゃった主人公が、
段々と女装の楽しさに目覚めて…などと書くとおかしな話な気がしますが、
「男の娘」というテーマに無理に設定を合わせた不合理さがなくて、
心の動きが実に自然。というかリアルなので、色々と共感する部分もあるわけですよ。
女装することによる性別に対する意識の変化、
友情なのか愛情なのかで戸惑う心の機微など、人物の心情描写が非常に丁寧なので、
彼らの言動や変化に説得力があるんです。

一番特徴的なのは、この漫画は可愛い男の娘を愛でる作品ではない、ということ。
作者のこだわりなのか、男の骨格がモロに見えるし、
露骨な男の娘キャラは一番「漢」らしい性格してたりと、
とにかく「ああ、こいつらは本質的に男なんだな」と意識させられて、
そしてそれが作品のテーマにも繋がっているのです。
そのくせ、女装した姿はちゃんと可愛いんだから反則だと思います。でも、重要ですよね?

ワタシはこういう一本筋の通った構成で作られてる作品が大好きなので、
萌えに逃げず、青春群像劇として少年たちの戸惑いや成長をしっかり描いたこの作品が、
男の娘だとかは関係なくて、普遍的な面白さを持っているなぁと感心するのです。

あと、キャラクターが生き生きしてるのもいいですね。
これは最終巻のおまけでキャラ設定が公開されてて、なるほどと思ったんですが、
全能な完璧超人を作ることはせず、
どこか+要素があったら、それに対して-要素を付与することで、
キャラクターとしてのバランスを調整していた、というんですね。
だからこそ、どこかに共感できるポイントが生まれていたのだと思います。

特にツバキなんかは、最初の完全な女子っぷりが、どんどん剥がれていくことで、
読者的な距離感が縮まってきたキャラですから、
最終話で「男」になった時の違和感が全然なくて、ごく自然に受け入れられたんですけど、
これ、地味に凄いことだと思うんですよ。
つまり、セクシャルな対象として見ずに、しっかりと「男」であることに納得して、
作品を読み進めていた、ということですからね。
見せかけだけの可愛さで満足するのではなく、
キャラクターの内面まで含めて気に入ってた証拠ではないかと。
こういうのは女子の絵を見せて設定だけ「実は男です」なんてやる、
よくあるインスタントな男の娘物ではできない作り方ですから、
そりゃあ良い作品になるのは当たり前ですよ。

ちなみに、個人的には愁を拒否し続けてたツバキが、
愁に「友人だ」と言われた瞬間に独占欲を覚えた辺りの心の動きが本当に面白くて、
そしてこの後から急にツバキが可愛くなっていくのが悶えポイントだと思うんですよね!
プレハブの中でのツバキの反応は反則すぎて、くそー、面白いじゃねーか!

それと、葵の恋愛話をちゃんと着地させてくれたのが嬉しかったなー。
これ、ウヤムヤで流されるのかと思ってたから、
凄くいい落とし所を作ってくれて、本当によかった。
キャラクターの成長がきちんと描けてるからこその結末なんで、感無量ですわ。

3巻と短めの話ではありましたが、その分濃密な内容に仕上がってるので、
ちょっと変わった青春群像を見たい人にはマジでオススメ。
こいつら本当に楽しそうで、学生時代に戻りたくなりますわー。

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