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3DS『闘神都市』総評

2015年01月03日 17:55

新年あけましておめでとうございます。
今年も適当に更新していくので、適当によろしくお願いします。

さて、ゲームの話題をメインに扱うブログとして実に正しく、
新年一発目の記事はレビューですよ!
1年前に出たゲームだけどな!
年末年始は、ひたすらこれやってました。面白かったヨ。

【クリア時間:37時間  個人評価:8  一般評価:8】
※クリア後追加以外の全隠しボス撃破、ガールズギフト全取得、女の子モンスター全捕獲済。

古いエロゲーの名作『闘神都市Ⅱ』を3DSにて全年齢用にフルリメイクしたのが本作。

剣術道場に通うも、とにかく弱い主人公は、
道場主の娘・葉月と結婚するために、世界最強の称号である「闘神」となるべく、
「闘神大会」への出場を決意する。


割とオーソドックスで分かりやすい導入なので、目的がはっきりしているのが良いところ。
下手に複雑すぎて意味が分からないより、ずっとマシだと思います。
だからといってストーリーの底が浅いわけではなく、闘神大会の裏に潜む陰謀など、
劇的な展開がプレイヤーに驚きを与えてくれるでしょう。
ドラマチックなストーリーこそ、原作が名作と呼ばれる所以でもあります。

で、問題となるのはやはり、元々がエロゲーだったものを、
どう全年齢化するのか、という部分。
しかも原作ゲームは、エロとストーリーおよびシステムが密接にリンクしており、
エロ要素を外したら全てが破綻するレベルで必要不可欠な要素だったので、
昨今のテキストADVを家庭用に移植するのとは訳が違うのです。

ネタバレしない程度に結論を言えば、
気になったのは闘神大会におけるパートナー制度に関する部分だけであり、
それ以外の(闘神大会後のアレについても)、なかなか上手くアレンジしたなと思います。
逆に、3DS版を先にプレイしてからPC版をプレイしたら、
無理やりエロ要素をブチ込んだように見えるかもしれませんね。
でもまぁ、本来は凄惨なシナリオのゲームなので、3DS版はどこかチグハグな印象もありますが。
全体の雰囲気がちょっと明るすぎるのと、表現がマイルドなんですよね。
なのに、状況が色々と絶望的なのが、ちょっと噛み合ってない感じ。
まぁ、ノー知識でプレイするには、これくらいの方がよさそうですがー。3DSだしね。

原作は1人で探索するゲームだったので、当然バトルも1対1、
初期のドラクエみたいなシステムだったわけですが、
こちらは3DSで劇的に進化してます。

SRPGなどでは割とお馴染みな「AP(行動力)」を採用し、
1ターン中にひとりで複数の行動ができるようにすることで、
擬似的なパーティバトルのような戦略性が生まれています。
当然、敵も複数行動してくるので、回復、補助、攻撃のタイミングなどを、
しっかりと考えて戦う必要があります。
特にこのゲームはボス戦がシビアなので、防御の回数とタイミングを間違えたら即死します。
代わりに、戦闘は負けても即座にリトライできる親切仕様で、非常にありがたいです。

戦闘には稀に「女の子モンスター」が登場し、これは捕獲することができます。
ルールはポケモンと同じ(おひ
ただし、AP制度により1ターンにモンスターボール(違)を大量に投げられるので、
捕獲そのものは物量で押し切ることも可能です。マスターボールもあるよ(ぉ
捕獲した娘はカードに封印され、アイテムとして装備することで、
主人公もモンスターの特殊能力が使えるようになります。
8枚まで装備できるので、この組み合わせを考えるのが面白いです。デッキ構築ですね。

例えば、敵の命中率を下げるスキルと、
敵の攻撃を回避したらAPが増えるスキルを組み合わせてみたり、
とにかく全属性で攻撃できるようにしてみたりと、その組み合わせは割と豊富。
カード自体は40種類しかないので、やや物足りないのですが、
すべてのカードに攻撃アニメーションとご褒美イラストが用意されてることを考えると、
なかなか気合が入ってるとも言えます。
ええ、カットインではなく「アニメーション」が入ってるんですよ。
始めて見た時はビックリしました。
ちなみに、これらの演出は飛ばすこともできるので、戦闘はサクサクやれますよ。

原作好きには頑なに変化を嫌う人もいますが、本作は割と上手くリメイクできていると思うので、
偏見を持たずにプレイしてみて欲しいなと思います。
正直に言えば、3DS版のキャラデザでエロゲーに逆輸入してもらえないかと(おひ
原作知ってると、「あー、ここは本当ならエロイベントなんだろうなー」と思える部分が多々あって、
非常に悶々とするのです。
オリジナルヒロインとレベッカのアレなイベントが見たいんだよ!(最低

とまぁ、全年齢化と今風のシステム再構築など、
古すぎる上にエロゲーのリメイクという茨の道を選んだゲームとしては、
非常に上手くやってのけた作品だと思います。
ストーリーの基本ラインはそのままに、設定も大きく変え過ぎないように配慮されていて、
原作へのリスペクトを感じる部分も多々あります。
特にオリジナルヒロインは実に自然にストーリーの中核に混ざっており、見事です。
アニメでよくある、「なんとなくオリジナルキャラを入れた」ような適当さはありません。
むしろ、彼女無しで原作はどうやってストーリーを回していたのか不思議になるレベル。

かように基本的によくできていると思いますが、不満も色々あります。

まず、ストーリーについて。
3DS版しか知らない人には文句なしかな、と思います。
ひと通りのことはきちんと決着がついてますので、綺麗に終わっているんじゃないかと。
が、原作を知ってる身からすると、削られたイベントや変わり果てたキャラクター等、
気になる改変要素も目につきます。
この辺り、やはり「全年齢化」という部分の影響を強く受けた結果で、
色々な要素が詰め込まれた原作の面白さを殺してしまった原因ともなっています。
まぁ、昔のRPGのような形式が、今は求められていないということかもしれませんが。
まさか、アリスソード(最強武器)が店で買えちゃうなんて、ゆとりすぎるだろ…。

次にシステム。
戦闘演出のカットおよび高速化はあるものの、そのためにはRボタンを押し続けなくてはならず、
長時間プレイしてると結構つらい。
また、女の子モンスターの攻撃アニメも、一度始まってしまうと飛ばせないなど、
機能が中途半端なのが気になります。
アニメのオンオフ、Rボタンは押しっぱなしかワンプッシュかを、
オプションで切り替えられたら便利だったのにー。

フィールドで使えるモンスタースキルの使い勝手の悪さもイライラします。
特に即座にモンスターと戦うスキルは、いちいちメニューを呼び出さないといけない上に、
使用確認が常に「いいえ」になってるので、非常に面倒くさい。
これは3DSの利点をいかして、「帰り木(帰還アイテム)」アイコンなどと入れ替える、
レイアウト変更機能が欲しかったですね。
エンカウント無効化のスキルも、一定時間で切れる必然性がないし、
この辺は作りこみの甘さが出てる部分だと思います。

戦略性の高いバトルだけに、情報量の少なさ&見難さも困りもの。
特に補助効果が何ターンで切れるか確認できないのが地味に厄介でした。
かけ直しのタイミングが分からないのは戦闘がシビアなだけに困るんですよねー。
デザイン優先でアイコンが何を意味してるのか訳がわからないのもね…。
結局、最後までアイコンの意味は理解できませんでした。自分で何使ったか覚えてた。

自室から直接迷宮に行けないこともストレスでした。
中盤以降、とあるストーリーの都合上、自室に戻らないとステータスが完全回復しなくなるので、
必然的に自室に行く機会が増えるんですが、今度は自室から迷宮に戻るのが非常に面倒。
自室→タウンマップ→迷宮→「入る」コマンド選択と、迷宮に入るまでの工程が多すぎて、
テストプレイで不満が出なかったのか不思議なレベルでストレスが溜まります。
何度も繰り返すことだけに、そういう部分はパッとやれないとダメだと思うのですよ。
特に前半は迷宮から出るだけでよかったので、尚更長く感じるんですよね。

最後に、ルート分岐アリで周回プレイ推奨なゲームデザインのくせに、
セーブデータが3つしかないのは明らかに足りてません。
主要なイベントの保存用にデータを残したいのに、それができなくて歯噛みしました。
3DSのゲームはセーブデータ数関連での不満が多いんですよねぇ。

まとめると、原作を知らなくても(むしろ知らないほうが)楽しめるゲームだと思います。
原作を知っていても、違いを楽しむ心の広さがあれば問題なし。
私は楽しく最後まで遊べました。

ただ、周回プレイが必須な仕様な割に、引き継ぎ特典が中途半端なこと、
クリア後の追加ボスを倒してしまうと、もうやることがなくなる、やりこみ要素の薄さ等、
昨今の「1本を長く遊び続ける」タイプのゲームとしては、コスパは悪いですね。
基本的に一本道でやることも決まってるので、
原作のように「探す」楽しみがないのが原因ですかねぇ。

ただ、やり切りタイプのRPGとしては、なかなか秀逸だと思われるので、
あまり複雑すぎないシステムのRPGを軽く遊びたい人にオススメ。
過去の名作とはどんなものなのかと、試しにプレイしてみても、損はないと思いますよ。


以下、ネタバレ全開の感想

レビューの基本スタンスは「ネタバレをしない」なので、伝えきれない部分も多々あるんですが、
こちらはネタバレ全開で言えなかったことの詳細などについても書いてみようと思います。
まぁ、レビューというよりは個人的な感想ですね。

闘神大会のパートナー制度が全年齢化に伴い形骸化したことは別記事でも書きましたが、
天使食い編についても、エロ要素をオミットした結果、残念な部分もチラホラ。
まず、セレーナが人質になる部分について、原作だと酷いレイプ描写があるので、
状況の悲惨さがよく描かれていたんですが、3DS版だと気が付くと洗脳されてます。
まぁ、明らかに幻杜坊の慰み物になっちゃってるので妙なエロスがありますが、
「実は洗脳されてませんでしたー」が、ご都合っぽくなっちゃってるのが残念でしたね。
だって、それなら最初から逃げてればよかったじゃない。
何でシードがあそこまでボロボロになるのを待ってる必要があったのか。
ちなみに、このセレーナ関連のイベントに合わせて、
オリジナルヒロイン・咲夜のレイプ目も見れますが、だからエロゲで出せとあれほd(ry

セレーナに関してはもうひとつ気になることがあって、
あれ、何でアプロスを刺した時、しびれ薬なんて面倒なことしたんですかね?
素直に刺し殺しておけば、後腐れなかったろうに、あそこはちょっと理解不能でしたね。
天使食いから戻せないことも分かってたから、生かしておく理由がなかったんだけどねぇ。

アプロスといえば、最後にデラスの所に来た描写も不自然というか、
おまえらちゃんとトドメ刺しとけよ。
ヤバイ相手だって分かってるのに、何で中途半端に虫の息のまま放置しとくかねぇ。
こういう中途半端な仕事をされると興醒めなんですよね。

あと、デラスについても、なんというか、これ、デラス悪くないよね?
原作がどうだったかは忘れちゃいましたが、デラスの回想を見る限り、
天使や鬼たちが見栄を張った結果、自業自得的にデラスに返り討ちで殺されただけで、
デラス側の落ち度は、最初の天使殺害だけなんですよね。
天使がある程度の所で追うのをやめていれば、
あいつらは静かな場所でイチャイチャしてるだけで終わったんじゃねーかな。
野心とか何もないんだから、執拗に追いかける意味がないよね。
もう放っておいてやれよ。封印とかする必要全然なかったじゃんよ。

ザビエル関係のサブイベントもカットされてて、なんだかなー。
バルトさんに至っては立ち絵すら描かれない脇役ぶりで、
ザビーの陰険さが薄まってるのがどうにも。
ちなみに、原作ではセクシーSM嬢だったレイヌがツインテ貧乳で出たきたのには笑ったw
キャラデザで遊びすぎだろw
キャラデザで言えば、アシカとか原型留めてなくて分からなかったぜ。
でも、3DS版のキャラデザは実に今風で好きです。

2015-01-01-151812.jpg

レベッカー! レベッカー!!(もちつけ

もう何この可愛さ!
ストーリー的には全然関係ない、何で出てきたのか意味不明なキャラなんだけど、
一応、原作で削除されたイベントをこちらで拾った形になっていて、
レベッカをちゃんと救えるのがいいですな。
欲を言えば、そのままレベッカルートがあってもよかったんだけどなー(おひ
もう少しレベッカ関連を深く描いてくれれば、
シードが人間性をギリギリで失わなかった理由付けにもなったのに、残念。

2015-01-01-095253.jpg

咲夜ー! 咲夜あああああ!!!(黙れ

オリジナルヒロイン・咲夜がもう本当に可愛くてですね、
葉月? ナニソレ状態でプレイしてたんですが(おひ
途中のルート分岐はあれど、大筋は同じエンディングになるみたいですね。
あれだけ「葉月とケッコンケッコン!」言ってたシードが、
どう咲夜に転ぶのかが見ものだったのに、
ラノベのハーレム物みたいな終わり方しやがってうぎぎ。
や、あれはあれで幸せそうだからいいんだけど、
咲夜派としては、きっちり駆け落ちしててもよかったんだぜ?

私はRPGに緻密なストーリーは求めてないので、
まぁこれくらいなら許容範囲ってことで普通に楽しみましたけど、
気になるものは気になるので、ツッコんでみました。
キャラデザが割と好みだったり、全体的に明るくて後腐れのない内容になってるから、
これはこれでいいんじゃないかなと思います。

そういえば、天使食いになって血液不足で倒れると、
咲夜との過去回想が見れる仕掛けは面白いと思いました。
あれは驚いたけど、慎重にプレイする人は気付かないだろ。
しかもあれを見ないと咲夜との繋がりが分からないという。
仕掛け的には面白いんだけどねー。

とりとめのない感じになったけど、まぁ、おまけの感想ってことで、許して!

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