2015年04月25日 10:49
私は「不殺」を貫く主人公が嫌いです。
悪党には相応の裁きを、罪には罰をを信条としている身としては、
大罪を犯しながらも主人公の温情で生き残る展開に納得がいかないのと、
単純に爽快感が足りないですよね。
もうウダウダ言ってないでさっさとやっちゃえよ!と言いたくなる。
あと、その「不殺」設定は、物語の都合で作者が設けた「舞台装置」でしかないので、
何もかもが綺麗事、単なる演出、ご都合に見えてウンザリする、ということもあります。
本当にそのキャラクターが望んでいることなのか?という疑念を抱くというか。
単に作者に都合よく踊らされてるだけな気がするんですよねぇ。
しかし、ここで登場したのが、前回の記事で少しだけ紹介した、
グランクレスト・リプレイ『かけだし君主の魔王修行』。
「リプレイ」とは、TRPGという人と人との会話で遊ぶゲームを実際にプレイして、
その様子を文章に書き起こし、どんな冒険が繰り広げられたのか、
どんな雰囲気のゲームなのかを伝えるための読み物です。
つまり、この物語に登場するキャラクターは、すべて実際に人間が演じています。
中の人などいる!ということですね(ぇー
そして、本作のヒロインとして登場する君主(ロード)、エルザという少女は、
もうとにかく殺しません。まずは対話を試みて、それがダメでも殺しはNG。
暴力に訴えるのは最後の最後の最後の手段、という雰囲気のキャラクターです。
私の好みからすれば真逆なキャラクターのはずですが、
演じているのが血肉の通う人間で、その人がリアルタイムのアドリブでやっていることなので、
それはつまり「本心からの行動」であることが伝わってきます。
要するに、「やらせ」の匂いがまったくないんですね。
だから、素直にその行動が腑に落ちるのです。
読み終わった後、私はエルザが大好きになっていました。いい子すぎるだろ(ノ∀`)
TRPGの大半は戦うことがメインのゲームなので、
戦闘を忌避することは、プレイの妨げになる場合があります。
しかし、キャラクターの行動に正当性があり、それが真っ当で道理が通るものであれば、
その言動を採用して物語を進めることもできるのがTRPGの面白いところ。
特に本作はプレイ開始からゲームの進行役であるゲームマスター(GM)の予定を外れまくり、
退治するはずのゴブリンを何故か助ける展開になったと思えば、
気が付けば魔物たちの君主(魔王)として国興しをすることになるという、
今までにない、そしてグランクレストという特異な世界観だからこそできる、
柔軟性に富んだ物語が展開していきます。
舞台は人間社会から追われ、逃げ出したはぐれ者たちが住まう「魔物の地」。
人間を憎み、嫌い、排斥しようとする彼らに対し、
エルザの真っ直ぐな心が、頑なな心を解きほぐしていきます。
テーマ的には明らかに重いはずですが、どこか呑気な掛け合いが、
本を読む手を早めてくれます。とにかくエルザたちのやりとりが面白いんですw
そして、中村やにおGMは、序盤で笑わせ、後半で泣かせるのが上手い人です。
GMの物語の構成の上手さもありますが、
それに加えて、エルザの行動が本当に泣ける!そしてカッコイイ!
ここまで一貫して「助けを欲する人はなんとしても助ける!」という信念を貫く様は、
単に甘いだけのご都合キャラクターではなく、王としての器の大きさとして表れています。
また、エルザをとりまく他のキャラクターたちのドラマもいいのです。
特にエルザの幼なじみであるジェイドは、過去の出来事を引きずるキャラなんですが、
その彼が過去の闇から光を見出す場面など、涙腺崩壊必至。
というか、後半はもう常に泣きながら読んでましたよ(ノ∀`)
イエティくんとか反則だろ…こんなん絶対泣くに決まってるじゃん…。
とにかく「不殺」を貫いたエルザの生き様が本当にカッコイイので、
本来、あまり好きなタイプではないキャラクターのはずが、気が付けばお気入りになっていました。
ここまで徹底してると、いっそ清々しい。
是非とも2巻、3巻、4巻、5巻と(おひ)続けてもらって、
できるだけ長く、彼女たちの活躍を見る機会が増えることを祈るばかり。
もう本当にメチャクチャ面白いので、店頭で見かけたら、迷わずレジにダッシュですよ!
いやー、やっぱりやにおGMのリプレイは最高だぜ!
悪党には相応の裁きを、罪には罰をを信条としている身としては、
大罪を犯しながらも主人公の温情で生き残る展開に納得がいかないのと、
単純に爽快感が足りないですよね。
もうウダウダ言ってないでさっさとやっちゃえよ!と言いたくなる。
あと、その「不殺」設定は、物語の都合で作者が設けた「舞台装置」でしかないので、
何もかもが綺麗事、単なる演出、ご都合に見えてウンザリする、ということもあります。
本当にそのキャラクターが望んでいることなのか?という疑念を抱くというか。
単に作者に都合よく踊らされてるだけな気がするんですよねぇ。
しかし、ここで登場したのが、前回の記事で少しだけ紹介した、
グランクレスト・リプレイ『かけだし君主の魔王修行』。
「リプレイ」とは、TRPGという人と人との会話で遊ぶゲームを実際にプレイして、
その様子を文章に書き起こし、どんな冒険が繰り広げられたのか、
どんな雰囲気のゲームなのかを伝えるための読み物です。
つまり、この物語に登場するキャラクターは、すべて実際に人間が演じています。
中の人などいる!ということですね(ぇー
そして、本作のヒロインとして登場する君主(ロード)、エルザという少女は、
もうとにかく殺しません。まずは対話を試みて、それがダメでも殺しはNG。
暴力に訴えるのは最後の最後の最後の手段、という雰囲気のキャラクターです。
私の好みからすれば真逆なキャラクターのはずですが、
演じているのが血肉の通う人間で、その人がリアルタイムのアドリブでやっていることなので、
それはつまり「本心からの行動」であることが伝わってきます。
要するに、「やらせ」の匂いがまったくないんですね。
だから、素直にその行動が腑に落ちるのです。
読み終わった後、私はエルザが大好きになっていました。いい子すぎるだろ(ノ∀`)
TRPGの大半は戦うことがメインのゲームなので、
戦闘を忌避することは、プレイの妨げになる場合があります。
しかし、キャラクターの行動に正当性があり、それが真っ当で道理が通るものであれば、
その言動を採用して物語を進めることもできるのがTRPGの面白いところ。
特に本作はプレイ開始からゲームの進行役であるゲームマスター(GM)の予定を外れまくり、
退治するはずのゴブリンを何故か助ける展開になったと思えば、
気が付けば魔物たちの君主(魔王)として国興しをすることになるという、
今までにない、そしてグランクレストという特異な世界観だからこそできる、
柔軟性に富んだ物語が展開していきます。
舞台は人間社会から追われ、逃げ出したはぐれ者たちが住まう「魔物の地」。
人間を憎み、嫌い、排斥しようとする彼らに対し、
エルザの真っ直ぐな心が、頑なな心を解きほぐしていきます。
テーマ的には明らかに重いはずですが、どこか呑気な掛け合いが、
本を読む手を早めてくれます。とにかくエルザたちのやりとりが面白いんですw
そして、中村やにおGMは、序盤で笑わせ、後半で泣かせるのが上手い人です。
GMの物語の構成の上手さもありますが、
それに加えて、エルザの行動が本当に泣ける!そしてカッコイイ!
ここまで一貫して「助けを欲する人はなんとしても助ける!」という信念を貫く様は、
単に甘いだけのご都合キャラクターではなく、王としての器の大きさとして表れています。
また、エルザをとりまく他のキャラクターたちのドラマもいいのです。
特にエルザの幼なじみであるジェイドは、過去の出来事を引きずるキャラなんですが、
その彼が過去の闇から光を見出す場面など、涙腺崩壊必至。
というか、後半はもう常に泣きながら読んでましたよ(ノ∀`)
イエティくんとか反則だろ…こんなん絶対泣くに決まってるじゃん…。
とにかく「不殺」を貫いたエルザの生き様が本当にカッコイイので、
本来、あまり好きなタイプではないキャラクターのはずが、気が付けばお気入りになっていました。
ここまで徹底してると、いっそ清々しい。
是非とも2巻、3巻、4巻、5巻と(おひ)続けてもらって、
できるだけ長く、彼女たちの活躍を見る機会が増えることを祈るばかり。
もう本当にメチャクチャ面白いので、店頭で見かけたら、迷わずレジにダッシュですよ!
いやー、やっぱりやにおGMのリプレイは最高だぜ!
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