2016年01月28日 21:14
センスの塊でした。
かつて、ここまですべてが洗練されたゲームがあったであろうか?
ビジュアル、ストーリー、世界設定、演出、そしてゲームシステムとシナリオの融合。
これらが「オーディンスフィア」という作品を完璧に彩り、
その上で見た目だけの「作品」ではなく、きちんと「ゲーム」として仕上げてあるところが凄い。
クリア後の追加ダンジョン、2週目への引き継ぎ、新たな難易度の出現。
そしてなにより、オリジナル版が丸々入っていることから、
アートではなくゲームとして遊ばせるための施策がすべて詰まっています。
ここまでユーザーフレンドリーで遊ばせてくれるリメイク作品というのも珍しいのではないでしょうか。
【クリア時間:37時間 個人評価:9点 一般評価:9点】
※難易度はノーマル
北欧神話をベースにしながら、オリジナルの世界設定で繰り広げられる、ヒロイック・ファンタジー。
複数の主人公を操作して、ひとつの大きな物語を複数の視点から追いかけることになります。
最初のグウェンドリン編をクリアしたらその次のキャラクターへ、という形で、
そのキャラクターの物語が終わったら次のキャラの物語に進みます。
一度クリアしたキャラの物語を続きから再度プレイすることもできます。
通常のRPGとの違いとしては、物語の語り方が戯曲的で、
イベントシーンは舞台演劇でも見ているように大仰な言い回しに違和感があるかも。
しかし、作品世界とグラフィックには非常にマッチしており、
この作品ならではの空気を生み出すことに成功しています。
アクション面は旧作からまるで別物となり、爽快感が非常に高まっています。
操作は非常にシンプルながら、驚くほど多彩に動くことができ、
操作しているだけで楽しいというのは、アクションゲームとして非常に重要です。
また、操作できるキャラクターが複数いるため、キャラクターが変わることで、
まるで違うゲームを遊んでいるくらい感触が変わります。
これは、ともすれば慣れ親しんだものから離されるストレスや、
操作の覚え直しといった面倒さも伴いますが、マンネリを防ぎ、メリハリを生むという意味では、
面白い試みだと思います。
自分に合ったキャラクターを探す楽しみもありますからね。
ゲーム部分の作りも非常に丁寧です。
特に、ボス戦等は一部、妙に強い(戦いにくい)敵もいて、
難易度ノーマルでも苦戦することがありますが、やられても、直前の状態に戻してくれるので、
アイテムの無駄遣い等が発生しないのは非常に助かりました。
改めてレベル上げをしたり、そのまま戦術を変えて挑んでみたりと、
トライ&エラーの容易さがユーザーフレンドリーに感じられます。
ダンジョン探索においても、いつでもどこでもセーブができたり、
チェックポイントに簡単に何度でもリソース消費無しで移動できる等、
とにかく「こうあって欲しい」と思う配慮がなされているので、ストレスは皆無です。
全体的にテンポもよく、ロード時間が気になるような場面もほとんどありません。
読み込みも演出で誤魔化す方法が上手く、それがゲームデザインとなっているのには感嘆します。
あらゆる部分において「作り込まれている」のと、作品の雰囲気を引き出す配慮に満ちていますね。
正直、不満と呼べるようなものは、ほとんどないのですが、
あえて挙げるとすれば、料理を注文する際、1品ずつしか注文できないのは面倒かなあ。
あとは、難易度ノーマルくらいだとゴリ押しで大抵押し通れてしまうので、
作業的に感じることがある点くらいでしょうか。これはまぁ、難易度上げればいいだけなんですけどね。
ボス敵の強さのバランスが悪いというか、一部やけに強い敵がいたりするのは、
メリハリと考えればいいだけですけど、飛空船だけはどう戦えばいいのか未だにわかりません。
ともあれ、すべてがハイセンスでまとまっており、美しさというのは、見た目だけではなくて、
総合的なものから滲み出るものであることが分かります。
ビジュアルも、物語も、とにかく全てが美しいゲームでした。
3Dのリアルなゲームが主流となりつつある時代に、
2Dでここまで表現できる可能性を示した作品として、多くの人にプレイして貰いたいですね。
単純に「面白かった」というのが一番大きいのですけど、ね。
以下、ネタバレありの感想
かつて、ここまですべてが洗練されたゲームがあったであろうか?
ビジュアル、ストーリー、世界設定、演出、そしてゲームシステムとシナリオの融合。
これらが「オーディンスフィア」という作品を完璧に彩り、
その上で見た目だけの「作品」ではなく、きちんと「ゲーム」として仕上げてあるところが凄い。
クリア後の追加ダンジョン、2週目への引き継ぎ、新たな難易度の出現。
そしてなにより、オリジナル版が丸々入っていることから、
アートではなくゲームとして遊ばせるための施策がすべて詰まっています。
ここまでユーザーフレンドリーで遊ばせてくれるリメイク作品というのも珍しいのではないでしょうか。
【クリア時間:37時間 個人評価:9点 一般評価:9点】
※難易度はノーマル
北欧神話をベースにしながら、オリジナルの世界設定で繰り広げられる、ヒロイック・ファンタジー。
複数の主人公を操作して、ひとつの大きな物語を複数の視点から追いかけることになります。
最初のグウェンドリン編をクリアしたらその次のキャラクターへ、という形で、
そのキャラクターの物語が終わったら次のキャラの物語に進みます。
一度クリアしたキャラの物語を続きから再度プレイすることもできます。
通常のRPGとの違いとしては、物語の語り方が戯曲的で、
イベントシーンは舞台演劇でも見ているように大仰な言い回しに違和感があるかも。
しかし、作品世界とグラフィックには非常にマッチしており、
この作品ならではの空気を生み出すことに成功しています。
アクション面は旧作からまるで別物となり、爽快感が非常に高まっています。
操作は非常にシンプルながら、驚くほど多彩に動くことができ、
操作しているだけで楽しいというのは、アクションゲームとして非常に重要です。
また、操作できるキャラクターが複数いるため、キャラクターが変わることで、
まるで違うゲームを遊んでいるくらい感触が変わります。
これは、ともすれば慣れ親しんだものから離されるストレスや、
操作の覚え直しといった面倒さも伴いますが、マンネリを防ぎ、メリハリを生むという意味では、
面白い試みだと思います。
自分に合ったキャラクターを探す楽しみもありますからね。
ゲーム部分の作りも非常に丁寧です。
特に、ボス戦等は一部、妙に強い(戦いにくい)敵もいて、
難易度ノーマルでも苦戦することがありますが、やられても、直前の状態に戻してくれるので、
アイテムの無駄遣い等が発生しないのは非常に助かりました。
改めてレベル上げをしたり、そのまま戦術を変えて挑んでみたりと、
トライ&エラーの容易さがユーザーフレンドリーに感じられます。
ダンジョン探索においても、いつでもどこでもセーブができたり、
チェックポイントに簡単に何度でもリソース消費無しで移動できる等、
とにかく「こうあって欲しい」と思う配慮がなされているので、ストレスは皆無です。
全体的にテンポもよく、ロード時間が気になるような場面もほとんどありません。
読み込みも演出で誤魔化す方法が上手く、それがゲームデザインとなっているのには感嘆します。
あらゆる部分において「作り込まれている」のと、作品の雰囲気を引き出す配慮に満ちていますね。
正直、不満と呼べるようなものは、ほとんどないのですが、
あえて挙げるとすれば、料理を注文する際、1品ずつしか注文できないのは面倒かなあ。
あとは、難易度ノーマルくらいだとゴリ押しで大抵押し通れてしまうので、
作業的に感じることがある点くらいでしょうか。これはまぁ、難易度上げればいいだけなんですけどね。
ボス敵の強さのバランスが悪いというか、一部やけに強い敵がいたりするのは、
メリハリと考えればいいだけですけど、飛空船だけはどう戦えばいいのか未だにわかりません。
ともあれ、すべてがハイセンスでまとまっており、美しさというのは、見た目だけではなくて、
総合的なものから滲み出るものであることが分かります。
ビジュアルも、物語も、とにかく全てが美しいゲームでした。
3Dのリアルなゲームが主流となりつつある時代に、
2Dでここまで表現できる可能性を示した作品として、多くの人にプレイして貰いたいですね。
単純に「面白かった」というのが一番大きいのですけど、ね。
以下、ネタバレありの感想
最終戦闘って、選んだキャラそれぞれでイベントがあるみたいですね。
これ、凄まじいんですけど…。
単に正解を選べばいいだけでないなら、あえて間違った組み合わせも見たくなってしまう…!
あと、妖精の真名の伏線は初期から張られていたので、メルセデスの最期は納得なんですが、
あんなに頑張ってた子だけに、メルセデスだけ報われないのが悲しすぎるんですけど。
イングヴェイとイチャコラしてる世界線はないのか…!(ノД`)
全体的に、突進系の技が強いんだけど、最終戦闘ではゴミになる場合が多いのが罠ですねw
高所攻撃や周囲を巻き込む系の技を鍛えてないと、結構大変。
でもグウェンドリンは何も問題なかった。
まぁ、戦う相手次第でもあるけどねー。
プレイ時間は40時間に届かないくらいでしたが、2週間くらいかけてノンビリ遊べたのはよかった。
これくらいのボリュームのゲームを、これくらいのペースで遊ぶのが一番いいかな。
でもまだ、☆が全部埋まってないのが気になる…まだ何かあるんだろうか。
追加ダンジョンをクリアするだけってこともないと思うけど。
あれ、単なるボスラッシュだもんねぇ。
それにしても、以前は1時間も遊ぶ気にならない程度のゲームだったのに、
ここまで楽しめるようになるとは、やはりゲームにとって大切なのは、
ストーリーよりもシステムなんですよねぇ。
どれだけ美しい世界も、遊んで楽しくなければ意味がないのです。
そういう意味では、完璧なリメイクでした。お見事。
これ、凄まじいんですけど…。
単に正解を選べばいいだけでないなら、あえて間違った組み合わせも見たくなってしまう…!
あと、妖精の真名の伏線は初期から張られていたので、メルセデスの最期は納得なんですが、
あんなに頑張ってた子だけに、メルセデスだけ報われないのが悲しすぎるんですけど。
イングヴェイとイチャコラしてる世界線はないのか…!(ノД`)
全体的に、突進系の技が強いんだけど、最終戦闘ではゴミになる場合が多いのが罠ですねw
高所攻撃や周囲を巻き込む系の技を鍛えてないと、結構大変。
でもグウェンドリンは何も問題なかった。
まぁ、戦う相手次第でもあるけどねー。
プレイ時間は40時間に届かないくらいでしたが、2週間くらいかけてノンビリ遊べたのはよかった。
これくらいのボリュームのゲームを、これくらいのペースで遊ぶのが一番いいかな。
でもまだ、☆が全部埋まってないのが気になる…まだ何かあるんだろうか。
追加ダンジョンをクリアするだけってこともないと思うけど。
あれ、単なるボスラッシュだもんねぇ。
それにしても、以前は1時間も遊ぶ気にならない程度のゲームだったのに、
ここまで楽しめるようになるとは、やはりゲームにとって大切なのは、
ストーリーよりもシステムなんですよねぇ。
どれだけ美しい世界も、遊んで楽しくなければ意味がないのです。
そういう意味では、完璧なリメイクでした。お見事。
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