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これは良いスローライフRPG『デジモンワールド-next order-』

2016年03月21日 00:16

3月はバンナムが頑張りすぎてて財布が崩壊するわけですが、
毎週1本は話題作を出してくるのは機会損失だと思うんですけどねぇ。
他社のゲームもあるし。

そんなゲーム激戦月の中で発売された『デジモンワールド-next order-』、
『サモンナイト6』を諦めてこっちを買ったわけですが、なかなかいいですぞー。

私は前作(?)『デジモンストーリー・サイバースルゥース(以下、デジモンCS)』が、
初デジモンだったわけですが、非常に丁寧に作られたRPGで、メチャクチャ楽しく遊びました。
デジモンとか本気で全然知らなかったのに、なんの問題もありませんでしたね。
ゲームとして丁寧な作りだったのと、とにかくグラフィックが美しかったのも好印象。

ところが、デジモン博士のNが言うには、デジモンゲームは2種類あって、
RPG寄りの「ストーリー」と、寿命がある育成系の「ワールド」で分かれてるらしい。

私が何でデジモンにノータッチだったかというと、
まさのその「寿命」のシステムが嫌だったんですよね。
何でせっかく育てたキャラを、改めて育てなおさねばならんのかと。
自分の過失でロストしたならともかく、ゲームの仕組みとして確定でロストするというのは、
ちょっと受け入れがたいものがあったわけです。
ローグライクRPGでレベル1に戻されるなんてレベルじゃない喪失じゃないですか。
キャラそのものが失われるんですよ?

とまぁ、そんな理由で敬遠してきたわけですが、「デジモンCS」が非常に面白かったので、
折角デジモンに触れる機会があったのだから、この際「ワールド」も体験してみようと思ったのです。

結果として、今は非常に楽しく遊んでおります。
もう全然ゲームとして別物なんですねぇ。
「デジモンCS」は完全にRPGで、レベルを上げてストーリーを進めるために先へ先へと進んだのに、
今作ではそもそもデジモンにレベルが存在しないので、育成そのものがスローペースです。
レベル上げをやり直しと言われたら萎えるけど、これなら育て直しもアリかなあ。

また、ストーリーを先に進めるために次々に新しいフィールドに行くのではなく、
少しずつ自分の行ける範囲を広げていく、探索やフロンティア開拓に近い展開で、
自分で物語を作っている感が非常に強いのも楽しいですね。

デジモンたちが手のかかる存在であることも、味付けなんだと思います。
やれ腹が減っただのトイレに行きたいだの言ってくるため、
色々と制限されてしまう部分もありますが、手がかかるからこそ愛着が湧く部分もあって、
単にレベルを上げて戦力としか見ていなかった前作との最大の違いは、ここなんでしょうね。

実は最初、初めてフィールドに出た時に、いきなり強い敵とうっかり戦ってしまって、
デジモン1匹が一撃で殺されたんですね。や、死んではいないのだけど。
このゲーム、HPが減りすぎると「ケガ」をしてしまって、寿命が減ったりするらしいんですよ。
なので、ケガの状態異常マークが付いた状態が非常に恐ろしくて、
でもどうやって治すのかも分からず、回復アイテムを無駄に消耗してみたり、
村にいるデジモンに片っ端から話しかけて解決策を探したりと、大慌てでした。
結局、寝たら治ってくれて心底ホッとしましたが。
後で見たら、所持アイテムにケガを治すアイテムが最初からあって、
それを探す余裕すらなかったんだなあと、ちょっと恥ずかしかったり。

これが「寿命がある」ということの意味なんですね。
普通、状態異常ごときで大騒ぎなんてしませんし、仮に全滅したところで、
所持金が減ったりする程度のペナルティなら気にしませんよね。
でも、このゲームでは、「キャラのロスト」という明確で決定的なペナルティがあって、
しかもその影響がいつ、どれだけ出るのかも分からないから、とにかく不安が募ります。
戦闘でHPが減ったままだと怖いから、こまめに回復したりしちゃう。
これがなんだか「お世話してる」感があって、愛着に変わるのかもしれません。

で、最大の懸念事項であった「寿命」ですが、デジモンはいわゆる「転生」をするらしく、
能力をある程度引き継いだり、また、テイマー(主人公)のレベルアップによって、
育成の効率を上げられたりするので、それほど大きなペナルティというわけでもなさそうです。
最悪、ずっとトレーニングで能力を上げてられるので、育て直しのデメリットはそんなに無さげ。

最大のデメリットは、プレイヤー自身に生まれる喪失感かもしれません。
いくら能力的、ゲーム的なデメリットは少ないとはいえ、
愛着を持って育て、一緒に行動してきた「仲間」を失うということは、この上なく寂しいことです。
例え同じ種類の、更に前より強い個体ができたとしても、それはもう同じ個体ではないのです。
そこを割りきってしまうと、それはそれでこのゲームの根幹の意味が薄れてしまうので、
難しい部分ではあるわけですが。

そういえば、最近同じようなエピソードを見たんですよね。
『ギルティギア・イグザード』のストーリーで、ラムレザルという感情を持たないキャラに、
感情とは何かを教えるために、彼女が可愛がってた犬を目の前で殺した直後に、
まったく同じ種類・見た目の犬を構築して彼女に渡すという酷いものでしたが、
それはもう同じ個体ではないわけですよね。深い。

そんな別れがいつ来るのか、現状ではまったく分かりません。
彼らは相変わらず食事を要求し、トイレをせがみ、眠くなったり不機嫌になったり笑ったりしています。
未知なるフィールドを一緒に探検し、思わぬ強敵との戦いにハラハラしながら、
その激闘の勝利を共に喜んだりしています。

…くそ、なんかどんどん悲しくなってきた。別れたくないよぅ。
私はつい感情移入しちゃうから、こういうゲームは向いてない気がしないでもないですが、
この感覚を押し込めて、ただゲーム的に処理することだけはしたくないなと思うのです。
共有した時間を楽しむことこそ、このゲームの本質なはずだから。

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