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物語に大切なのは、意表を突くことより整合性。

2016年05月18日 09:51

『鋼の錬金術師』の映画を見つけたので、懐かしさのあまり見ていました。ミロスの方。
そういえばシャンバラはまだ見てないなあ。こっちも見てみるか。
実はそんなに興味なかったんだけど、見始めたら面白くて、気がついたら全部見てたという。
カオスな状況からパズルのピースがはまっていく感覚が気持ちいい作品でしたね。

序盤で列車が駅に激突するシーンで、
どう考えても激突させた方が被害が少なかったんじゃないかと思ったのだけど、
後でレールを修理してる描写があったことで納得。
列車を完全に壊すよりは、レール直す方が楽だわなあ。錬金術便利すぎる。
まぁそれよりは、そういう細かいフォローが入ってることに驚いたんですが。すげい。

個人的に、アルとジュリアがいい感じになってたのがニヤニヤ展開で俺得でしたが、
腐った方面のファンや原作至上主義な方々からは文句出なかったのかしら。
ポッと出のオリジナルヒロインといい感じになるとか、怒る人いそうだし。
でもまぁ、アルは原作でも誰かと仲良くなるわけでもないし、
そもそもほぼ鎧姿だったから、カップリング対象として見られてなかったのかも。
や、ハガレンの二次界隈の事情なんて知りませんが。
私はこういうギャップのあるカップリングは大好物なんですよねー。
オッサンと幼女とか、異種族と少女とか、いいよね。『魔法使いの嫁』は大好きよ。

すっきりと終わっていたので、これはいい映画化だなあと良い余韻に浸ってるわけですが、
この「面白い」と感じる感覚は、どこから生じているのか不思議ですよね。

私はゲーム、特にRPGにおいて、ストーリーをあまり重視していません。
ゲームとは自分で操作することを楽しむ娯楽なのだから、
ストーリーは最低限、プレイヤーの邪魔をしない程度に添えてあればよくて、
肝心なのは遊ばせるためのシステムだと考えているからです。

だからといって、ストーリーが適当でいいわけじゃなくて、
ゲーム世界への没入を妨げないでいてほしいというのが最低ラインにあります。
もちろん、システムもよくてストーリーも面白いのが一番ですが、
私にとっては評価に重きをおいてない部分であるというだけです。

ではその「最低ラインのストーリー」とはなんなのかというと、
整合性が取れていて、展開に納得がいくものであることです。
極端なはなし、父の仇である魔王討伐に勇者が立ち上がる、だけでも可。
変にひねって疑問だらけにしたり、納得のいかない展開になったり、
極端に走り過ぎて唖然とさせられたりすると、急にリアルに引き戻されて萎えるんですよね。
トライエース、お前のことだよ。

まぁ、だからといってシンプルにすればいいということでもないので、
より上質な作品を目指すのであれば、妥協するべきじゃないですけどね。
私だってできればストーリーは面白い方が嬉しいし。

そこで最初の疑問である「面白さの源泉」についての話に戻るわけですが、
面白いという感覚はとりあえず置いといて、
前提としてあるものは、「整合性」ではないかと思うわけです。
投げっぱなしにしない、無理なご都合にしない、そうであることに理由がある、といったことですね。

ガチガチに固めすぎるのもどうかと思いますが、
適当に作るよりはよほど良い物ができると思うので、
物語作りを生業とする方々には、常に意識して欲しい部分であります。
前述のハガレン映画におけるレールの修理シーンのように、
ちょっとした一手間を入れるだけで、作品の質が上がることもあるのです。
神は細部に宿るのですよ。

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