2016年09月03日 23:47
連載終了してから主人公に公式に恋人ができるってすげーな『ものの歩』。
描き下ろしは必見。しかし、惜しいなあ…もう少し読んでいたかった。
漫画版があまりに面白くて、結局原作を読み始めることになった『マージナル・オペレーション』。
とりあえず原作3巻は読み終えたのだけど…うおお、重すぎて辛い。
元々ラストまでの構想はあったみたいだから、登場人物が「ああ」なるのは予定調和なんだろうけど、
思い切ったもんだなあ。あそこまでいいキャラを「壊す」のは覚悟がいると思うのだが。
まぁこの展開は、なんだかんだで覚悟が足りてなかったアラタを覚醒させるために必要なイベントで、
これがあるからこそ「アラタ無双」に説得力も生まれるんだろうなあと思うと、
4巻を読むのが楽しみではあるんですが、それにしても3巻は重すぎる。もう読み返せない。
でもこの「リアル」があるから、面白いんだろうとも思う。
最近のラノベはストレス無く読めるものが多くなっているといいますし、
「俺Tueee!」が人気だったりするわけですが、
マジオペ読んだら、ちょっと理由が分かった気がします。
では、読者的に嫌な展開とは何であるか?
ひとつは、主人公側のキャラが死ぬのは見たくない。
どんな端役であれ、主人公と関わりがある時点で、愛着が湧く人もいるだろうし、
隠れファンが少なからず発生したりするものなので、主人公サイドに身を置くからには、
最悪でも死んで欲しくはないですよね。
まぁ、生きてればいいってもんでもないですケド。
ふたつめ、ヒロイン等が誘拐される展開。これも人気なくなる要因ですね。
まず、誘拐される=主人公の足を引っ張る行為なので、誘拐犯へのヘイトよりも、
誘拐されたヒロインにヘイトが集まるという、日本特有のクソみたいな流れがあります。
被害者に厳しい国、日本。
そして何より、誘拐されたら、(普通は)もう五体満足で戻ってはこれません。
特に女性キャラの場合、貞操は絶望的と考えてよいでしょう。
というか、ここで無傷で返してしまうと、誘拐展開にした意味がなくなる上に、
ご都合すぎてリアリティが欠落します。
そういう展開にしたからには、「誘拐されましたー、無事でしたー」では何も生まれません。
結果として何かが生じるイベントでなければ、誘拐イベントを起こすことはデメリットしかありません。
つまり、誘拐イベントが発生した時点で胸糞展開確定なのです。そりゃ見たくないですよね。
主人公が悩む、苦しむ、悲しむのもマイナス。
主人公は読者の分身です。もしくは、もっとも感情移入する対象です。
なので、主人公が受けるストレスは、同時に読者も受けてしまうことになります。
だからこそ、ストレスとは無縁な「俺Tueee!」系主人公というのが生まれ、人気になったのでしょう。
主人公が最強キャラであれば、主人公サイドの安全は守られ、
誘拐イベント等が発生しても力技でなんとかしてしまうことも可能。
ビバ、最強主人公! 時代の流れで必然的に生まれた属性なわけですね。
マジオペでは、主人公の覚醒のために、悲惨な展開がどうしても必要でした。
これは弱さを持つ主人公を成長させるために必要なイベントでしたが、
読者はこういう展開を望んではおらず、読むことに苦痛を感じるものです。
ではどうすればいいかというと、「最初から最強にしてしまえ」というのが最強主人公なんですね。
アラタは割と最初から最強でしたが、より大きな舞台に上がるには、やや足りなかった。
それではリアリティに欠けることから、成長イベントが必要だったわけですが、
リアルを追求しすぎた結果、想像以上に悲惨な展開が待ってました。
誤解しないで欲しいのは、私はこれは展開上の必然だったと思って受け入れてるし、
だからこそアラタの覚悟が伝わってきて、物凄くいい作品になってると思うのだけど、
だからといってあの展開が最高だったとも言えない微妙な心理があるのです。
まぁ、あの展開で誘拐されたら、そうなるよね…。
それでもマジオペを嫌いにならないのは、徹底した非情とも言えるほどのリアルさがあるからこそ、
荒唐無稽なファンタジーに「重さ」と説得力が生まれているからです。
先日に書いた「リアルとウソのバランス」が優れた作品だということですね。
私が「俺Tueee!」が嫌いなのは、「ウソをつきすぎてる」からです。
分かりやすい例としてはSAOのALOの話。
まさにヒロインが誘拐された状態で始まったわけですが、キリトさんの謎パワーで、
アスナさんはまったくの無傷で無事に生還しちゃいましたねークソが(おひ
マジで須郷さんの紳士っぷりにヘドが出そうですよ。
もっとアスナを(自主規制)して(自主検閲)して(自重汁)するべきだったと思いますね。
それがSAOに必要なリアルだったんですが、まぁラノベなので、これでいいのです。
本当に須郷さんにはガッカリですよ。
まぁ、この辺は主人公に対する信頼とか好感度とかもあるのでなんともですが、
久しぶりにメイン級のキャラが悲惨な目にあう作品に触れたことで、
「物語とは本来こうしたものだよなあ」などと漠然と思ったのでした。
それがいいとも言い切れない辺り、複雑な気持ちでもありますけどね。
そういう時は、気持よく無双する「俺Tueee!」でスッキリするのも悪くないのかもしれません。
ただ、あまりにも主人公を持ち上げすぎるのは勘弁な!
今アニメやってるアレの原作を読んでいるのだけど、あまりに主人公アゲがウザすぎて、
展開そのものは興味深いのに、読んでて苦痛というアンビバレンツなのですよ。
この主人公はもっと嫌われて理解されなくて孤独でいいと思うんだけどなあ。
まぁ何が言いたいかというと、日曜はマジオペ読んで潰れるのは確実ってことです。
結局外伝含めて全部買ってきちゃったよ…高すぎるんだよ星海社の本はさー。うぎぎ。
描き下ろしは必見。しかし、惜しいなあ…もう少し読んでいたかった。
漫画版があまりに面白くて、結局原作を読み始めることになった『マージナル・オペレーション』。
とりあえず原作3巻は読み終えたのだけど…うおお、重すぎて辛い。
元々ラストまでの構想はあったみたいだから、登場人物が「ああ」なるのは予定調和なんだろうけど、
思い切ったもんだなあ。あそこまでいいキャラを「壊す」のは覚悟がいると思うのだが。
まぁこの展開は、なんだかんだで覚悟が足りてなかったアラタを覚醒させるために必要なイベントで、
これがあるからこそ「アラタ無双」に説得力も生まれるんだろうなあと思うと、
4巻を読むのが楽しみではあるんですが、それにしても3巻は重すぎる。もう読み返せない。
でもこの「リアル」があるから、面白いんだろうとも思う。
最近のラノベはストレス無く読めるものが多くなっているといいますし、
「俺Tueee!」が人気だったりするわけですが、
マジオペ読んだら、ちょっと理由が分かった気がします。
では、読者的に嫌な展開とは何であるか?
ひとつは、主人公側のキャラが死ぬのは見たくない。
どんな端役であれ、主人公と関わりがある時点で、愛着が湧く人もいるだろうし、
隠れファンが少なからず発生したりするものなので、主人公サイドに身を置くからには、
最悪でも死んで欲しくはないですよね。
まぁ、生きてればいいってもんでもないですケド。
ふたつめ、ヒロイン等が誘拐される展開。これも人気なくなる要因ですね。
まず、誘拐される=主人公の足を引っ張る行為なので、誘拐犯へのヘイトよりも、
誘拐されたヒロインにヘイトが集まるという、日本特有のクソみたいな流れがあります。
被害者に厳しい国、日本。
そして何より、誘拐されたら、(普通は)もう五体満足で戻ってはこれません。
特に女性キャラの場合、貞操は絶望的と考えてよいでしょう。
というか、ここで無傷で返してしまうと、誘拐展開にした意味がなくなる上に、
ご都合すぎてリアリティが欠落します。
そういう展開にしたからには、「誘拐されましたー、無事でしたー」では何も生まれません。
結果として何かが生じるイベントでなければ、誘拐イベントを起こすことはデメリットしかありません。
つまり、誘拐イベントが発生した時点で胸糞展開確定なのです。そりゃ見たくないですよね。
主人公が悩む、苦しむ、悲しむのもマイナス。
主人公は読者の分身です。もしくは、もっとも感情移入する対象です。
なので、主人公が受けるストレスは、同時に読者も受けてしまうことになります。
だからこそ、ストレスとは無縁な「俺Tueee!」系主人公というのが生まれ、人気になったのでしょう。
主人公が最強キャラであれば、主人公サイドの安全は守られ、
誘拐イベント等が発生しても力技でなんとかしてしまうことも可能。
ビバ、最強主人公! 時代の流れで必然的に生まれた属性なわけですね。
マジオペでは、主人公の覚醒のために、悲惨な展開がどうしても必要でした。
これは弱さを持つ主人公を成長させるために必要なイベントでしたが、
読者はこういう展開を望んではおらず、読むことに苦痛を感じるものです。
ではどうすればいいかというと、「最初から最強にしてしまえ」というのが最強主人公なんですね。
アラタは割と最初から最強でしたが、より大きな舞台に上がるには、やや足りなかった。
それではリアリティに欠けることから、成長イベントが必要だったわけですが、
リアルを追求しすぎた結果、想像以上に悲惨な展開が待ってました。
誤解しないで欲しいのは、私はこれは展開上の必然だったと思って受け入れてるし、
だからこそアラタの覚悟が伝わってきて、物凄くいい作品になってると思うのだけど、
だからといってあの展開が最高だったとも言えない微妙な心理があるのです。
まぁ、あの展開で誘拐されたら、そうなるよね…。
それでもマジオペを嫌いにならないのは、徹底した非情とも言えるほどのリアルさがあるからこそ、
荒唐無稽なファンタジーに「重さ」と説得力が生まれているからです。
先日に書いた「リアルとウソのバランス」が優れた作品だということですね。
私が「俺Tueee!」が嫌いなのは、「ウソをつきすぎてる」からです。
分かりやすい例としてはSAOのALOの話。
まさにヒロインが誘拐された状態で始まったわけですが、キリトさんの謎パワーで、
アスナさんはまったくの無傷で無事に生還しちゃいましたねークソが(おひ
マジで須郷さんの紳士っぷりにヘドが出そうですよ。
もっとアスナを(自主規制)して(自主検閲)して(自重汁)するべきだったと思いますね。
それがSAOに必要なリアルだったんですが、まぁラノベなので、これでいいのです。
本当に須郷さんにはガッカリですよ。
まぁ、この辺は主人公に対する信頼とか好感度とかもあるのでなんともですが、
久しぶりにメイン級のキャラが悲惨な目にあう作品に触れたことで、
「物語とは本来こうしたものだよなあ」などと漠然と思ったのでした。
それがいいとも言い切れない辺り、複雑な気持ちでもありますけどね。
そういう時は、気持よく無双する「俺Tueee!」でスッキリするのも悪くないのかもしれません。
ただ、あまりにも主人公を持ち上げすぎるのは勘弁な!
今アニメやってるアレの原作を読んでいるのだけど、あまりに主人公アゲがウザすぎて、
展開そのものは興味深いのに、読んでて苦痛というアンビバレンツなのですよ。
この主人公はもっと嫌われて理解されなくて孤独でいいと思うんだけどなあ。
まぁ何が言いたいかというと、日曜はマジオペ読んで潰れるのは確実ってことです。
結局外伝含めて全部買ってきちゃったよ…高すぎるんだよ星海社の本はさー。うぎぎ。
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コメント
飯田沙々 | URL | -
Re:最近のラノベが腑に落ちた
俺tueeeのはしりはマンガだけどやっぱり「北斗の拳」だと思うww
最近どこかのサイト(小説家になろう系のすすめみたいなとこ)で今君が言ったようなことをほぼそのまま言ってるひとが居るの見たあとなので、大変タイムリーな話題でした、個人的に
イヤボーンの法則(byさるまん)ってヤツですな。
まぁ、世の中には他人の不幸は蜜の味とばかりに落ちて行く様を楽しむ(ゆっくり虐待はさすがにクソだと思った)人種も居るようなので俺ツエー以外の需要も有るとは思います。
まぁ、意味もなく理不尽な展開で不幸になっていく作品はどうかと私も思いますがね。
鬱展開にしろ無双にしろそこに至るまでの課程に説得力がないと途端につまらなくなる。リアリティーというやつですね
( 2016年09月04日 11:12 [編集] )
岳る | URL | -
Re:最近のラノベが腑に落ちた
>飯田沙々
あの頃の少年漫画は大抵主人公が最強キャラだった気がするね。
あー、まぁ一般論なんでしょう。同じようなことを考える人が複数いるってことは。
何事も「意味が無い」とか「作者の都合で」というのは見ていて気持ちが悪い(収まりが悪い)ものだから、そういう作品を書いちゃう人はエンターテイナーに向いてないんだと思われ。
とはいえ、1から10まで説明づくしで面白いかと言われたらNOなんで、何事もバランスが大事ってことよな。
( 2016年09月04日 19:16 [編集] )
飯田沙々 | URL | -
Re:最近のラノベが腑に落ちた
その昔、作者の都合ですっぽーん
とかやって恥かいたわけだが…
( 2016年09月07日 18:55 [編集] )
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