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マルチ展開で一番の鬼門は主人公の扱いである

2020年01月05日 11:20

『千年戦争アイギス 白の帝国編』全4巻読了しましたー。
いやー、面白かった! これはいいノベライズ。

とゆーわけで、前回に引き続き、ゲームのコミカライズ及びノベライズについてのお話ですよ。

アイギスは主人公である「王子」=プレイヤーという図式のゲームです。
ドラクエタイプの主人公なので、ほぼ喋ることはありません。
まぁ、要所でだけしっかり言葉を発するので、完全な無口ではないんですが。

こういうタイプは主人公に個性付けがされてないので、
完全にプレイヤーの分身として感情移入ができる反面、
アニメ化や漫画化等がされた時に困ることがあります。
大抵はテンプレな「害のない、いい人」にされてお茶を濁されるんですが、
たまに無駄に個性を付加される場合もあります。

あと、媒体によって主人公が変わるのは悪手だと思いますね。
公式で主人公のキャラを設定したなら、それで統一した方がいいと思います。
それで失敗したのがゴッドイーターのアニメ版だと認識してたりするので。
まぁあのアニメは、それ以外の部分も問題あったんですけどもー…。

さておき。

アイギスは元がエロゲということもあって、メディアミックスでもお色気要素を入れようとするのか、
漫画版では王子にややすけべぇなキャラ付けがされていました。
寝室では喋りまくりますからね、王子。間違いではない。ないのだけれど…。
個人的に、主人公が性欲を隠そうとしないタイプの作品は苦手なので、
漫画版のアイギスの評価は低かったりします。
作画的にも物足りない部分があったのも事実ですがー。

反して、ノベライズの「白の帝国編」は、とても良かった!
というのも、舞台がもうひとつの国「白の帝国」であるため、
主人公は王子ではなく皇帝なんですよね。
で、皇帝はプレイヤーの分身ではないし、ある程度のキャラ付けもされてるので、
単純に物語の主人公にしやすい造形なわけです。

主人公の問題をクリアできれば、あとは作家の腕の見せ所なので、
そういう意味では、ノベライズしやすいタイプだったのではないかと思います。
かなり陰惨な描写があるのは、
アイギスの世界が実は世界滅亡寸前の危機的状況にあることを忠実に再現していて、
その点でも素晴らしいノベライズでしたね。
お気に入りのキャラが四肢欠損したりするのはかなりショックを受けそうですが(治癒はされます

これを見ると、ダブル主人公というのはマルチ展開と相性がいいなと思うわけです。
番外編という形で展開できるため、違和感が最少で済む上に、
うまくやれば世界観を広げたり、原作で説明不足な部分を補うこともできます。
なによりも、主人公問題を解決できるのが大きい!
オリジナル主人公を立てて成功できたのは、アニメ版のアイドルマスターくらいじゃないですか?
それくらい、原作で個性付けされてない主人公を使うのはリスキーなのです。

そんなわけで、見本のようなマルチ展開の成功例を見せてくれた「白の帝国編」。
新刊なら特典キャラのDLCも付いてくるので、未読の王子は読んでみようぜ!(宣伝
ラピ×ルチ好きな人にもオススメですぞ。
あと、メフィストがカッコよくて好感度あがりますw
育てようかなぁ…。

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