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『幼女戦記』のメディア別差異について

2020年08月30日 23:43

休日になる度に「あれをしようこれもしよう」と色々と計画を立てるのに、毎回なぜかベッドでゴロゴロしながらスマホを弄って終わるのは全部自分の怠慢のせいですねごめんなさい。
今日もお部屋は片付けられなかったよ…。

まぁ、そんな予定を狂わせた原因のひとつが『幼女戦記』です。
少し前にアニメ化もしたし、タイトルが不穏なので印象に残ってる人も多そうですが、最近になって何故か急に原作を読み始めました。
や、原作は1巻が出た頃から買ってたんですが、読み始めたのは漫画版が先で、次にアニメを見て最後に原作を読み始めるという謎すぎる経緯を辿った作品になります。謎なのは私の行動ですねすいません。

基本的な内容はどのメディア作品も同じながら、それぞれに特徴が際立っており、読後や視聴感はかなり違うものとなっています。
で、今更これに手を出そうという人も少ないとは思いますが、「ちょっと興味あるなー」という人もいるかもしれないので、個人的なメディア毎の特徴とオススメを書いてみます。
暑すぎる残暑のせいで外に出られず、冷房の効いた部屋でインドアを楽しみたい人等の一助になれば幸いです。

ちなみに『幼女戦記』について簡単に説明すると、現代日本でサラリーマンやってた男が、リストラした社員の逆恨みで殺されてしまい、死に際に神に不信心を咎められたサラリーマンは、何故か異世界で幼女に転生させられて、第一次と第二次の世界大戦中みたいな別世界でドイツっぽい国の軍人として活躍することになる、異世界転生ものです。
書いてて自分でも何言ってんのかよくわからなくなってきたけど、書いた通りの内容です。
なお、タイトル詐欺というか、幼女はこの転生サラリーマンだけで、他の登場人物の9割は男およびオッサンです。


・コミカライズ版
さて、一番にオススメするのは漫画版です。
単純に漫画ということでハードルが低いということもありますが、文章だけではわかりにくい世界情勢や、それぞれのキャラクターが何を考えているのかといったことが視覚的に理解しやすいのがオススメの理由です。
あと、各メディアの中で一番キャラデザが綺麗というか耽美w
老いも若きも男も女もとにかく美形なので、目の保養になること間違いなし。
それでいて主人公ターニャの凶悪な表情も実に生き生きと描かれていて、作品の本質が一番良く見えるのではないかと思います。

ただ、丁寧に描かれすぎているせいか、現時点で刊行されている19巻で進んだのは原作の3巻(の半分)程度と、かなりスローペースです。
刊行速度は驚異的速さですが、物語の進行速度は驚異的遅さという対極ぶりが凄いですね。
あと、原作にはない描写やキャラクターもチラホラと存在しており、原作よりもヒロイックな展開になっているのは賛否がわかれそうですかね。
個人的には原作は逆に無機質すぎるので、漫画版を推す理由はこれだったりするんですがー。ターニャとヴィーシャが一番かわいいのも漫画版ですw


・アニメ版
入口としては漫画よりも入りやすいかなと思うアニメ版ですが、とにかくカットが目立ちます。
原作を知らなければ気づかないくらい自然に展開させてはいるんですが、TVシリーズ12話で原作3巻(の半分)まで駆け抜けております。つまり、漫画が19冊かけてやったことをアニメ版は12話でやったということですね。
流れをつかむだけならアニメ版が一番いいと思うし、作画も綺麗でよく動くので、本を読むのはダルいなぁという人はアニメで十分楽しめるのではないかと。

難点は、随所で指摘されていましたが、クセの強すぎるキャラデザですかね。とにかくターニャもヴィーシャも可愛くない。
これは原作および漫画版から入るとなお強く感じてしまうんですが、そちらを知らなくてもキャラデザで拒否感を覚えた人も多そうだなぁというくらい「どうしてこうなった」という感じです。
男キャラも漫画では美形だったキャラがオッサンになってたりするので、かなり微妙。逆にオッサン好きは全然問題ないかと思います。ナイスオッサンです(ぇー

ちなみに劇場版もあって、純粋にTV版の続き物となっています。
こちらもかなりの再編がされていて、一番の改変はターニャとメアリーの一騎打ちが描かれているところでしょうか。
でもかなり自然につながっているので、原作を知らなければサラリと観れてしまう素晴らしいクォリティです。TVシリーズを見たなら、こっちも見ときましょう。


・小説原作
さて、一番オススメしないのが原作というのもおかしな話なんですが、とにかく文章のクセが強すぎるため、好き嫌いが分かれそうだなあというのが第一の理由です。
とにかく心理・思想描写が多すぎて全然話が進まないかと思えば、戦争シーンはサラリと結果だけ書いて終わらせてしまうこともあったりと、なんとも独特なペース配分で書かれているので、他メディアから入ってくると違和感が結構あります。
まぁとにかく、くどい程に同じような心情描写を繰り返してくるので、もう少し整理できなかったのかなーと思いながら読んでるんですが、それゆえに時代背景とか世界情勢とかターニャのスタンスとかがしっかりと描かれる下地になってる部分もあるので、一概にダメでもないのが難しいところです。

全体的に「説明的」な文章なのと、虚飾に満ちたやりとりが多いこともあって、やや無機質というか、あまりキャラクターの「熱」を感じないのが気になりますが、そういうのを求めるなら漫画版を読むのをススメます。
原作を読むのは、あくまで物語がどう転がっていくのかを一刻も早く知りたいという人向けですね。あと、政治的な迂遠なやりとりが好きな人とかかな。


…とまぁ、各メディアでかなり雰囲気が変わる作品なので、全部楽しんでしまうのが一番いいと思います。
ストーリーラインはすべて同じなので、メディアによる違いを楽しむのも一興かと。
とまれ、面白い作品であるのは間違いないので、タイトルで敬遠してた人は、試しに手に取ってみるのも悪くないですよ?

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