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FF9再評価

2021年08月01日 22:45

ヴァーチャルライバー集団ホロライブがスクエニとなんらかの契約を取り交わしたことで、ホロライブではドラクエやFFシリーズの配信が活発化しています。今更遊ぶには古すぎてキツいゲームも、ちょっと懐かしみたいなぁと思う時に、動画配信は非常に助かりますね。

まぁこうやって動画で済まされちゃうのは、メーカーとしては不本意だと思いますが、潜在的なユーザーを掘り起こす可能性を考えれば、悪くない施策なのかもしれません。実際、私も配信動画を見た結果、何本かゲーム買っちゃいましたし。
配信者って基本的にトークとゲームとコメント確認を同時進行で行うため、あんまりゲームを上手くプレイできないんですよね。そのもどかしさが「俺にやらせてみ?」というプレイ意欲を刺激するんですよねぇ。つまり、あまりゲームが上手くない方が販促になる。
とはいえ、下手すぎるとイライラが勝って視聴を打ち切ってしまうこともあるので、適度にプレイスキルがある人を選ぶか、スキルがなくても進行に支障がないRPG配信等を選ぶのがオススメ。

けれど、RPG配信って下手な配信者だとダレるんですよねぇ。ラジオと同じで、無言の時間が多い配信者は基本的に地雷なので、常に何かしゃべり続けるスキルを持ってる人、更にきちんとゲーム側からのアクションに対して反応してくれる人でないと楽しく見れません。せっかくストーリーが進んでるのに、全然関係ない雑談してる人は印象悪いです。
Vライバーではリゼ・ヘルエスタが一段抜けて面白いですね。語彙が豊富でストーリーへの反応もきちんとしてくれるので、長時間配信でもダレないというのは凄いと思います。初めて見る人はマザー2のアーカイブから見てみるといいですよ。あの糸井重里氏までもが認める凄い動画ですぞ。

私は今は戌神ころねのFF9配信を見ております。ころさんは私がVにハマるきっかけでもあるので、定期的にチェックしてるんですよねぇ。マジでV廃になったもんだなあ。
改めてFF9を見てると、もう全然覚えてなくてビックリしました。ラスボスのインパクトが強すぎて、そこしか覚えてないw

というかFF9ってストーリーやその見せ方が物凄いハイレベルで、メチャクチャ面白いですね。ミニゲームが死ぬほど豊富だった記憶はあったんですが、記憶よりも遥かに多い上に、ひとつひとつのミニゲームが結構作り込まれてて、あまりのボリュームにクラクラしてきます。すさまじいな…。
確かに歴代でも人気作品な理由が分かりますねぇ。今度、海外でアニメも作られるみたいですし。

個人的にFF9にはあまり良い印象がなくて、私の中の評価ではクソゲーでした。というのも、システム面がとにかく面倒で、アビリティを覚えるために古い装備を使い続けなくてはならず、せっかく新しい装備を手に入れてもすぐに装備できない(してもいいけどアビリティを諦めることになる)というアビリティ回りのシステムが大嫌いだったんですね。バトルがモッサリしてるのもあってとにかくダルかった。
同様に、ドラクエ6や7の熟練度システムも嫌いだったので、そちらの評価も低かったりします。あれ、せめてカッチリと数値管理できればよかったのに、敵の強さとこちらのレベルの関係が分かりにくくて微妙だったのよね。ドラクエは8のスキルポイント制で完成された感があり、ドラクエ11で洗練されたのは良い進化でしたね。ドラクエ9方向に行かなくて本当によかった。

話が逸れましたが、私は基本的にゲーム(特にRPG)はメインとなるシステム(RPGなら育成関連)の出来の良さで評価することが多いので、育成がダルくて戦闘が楽しくなかったFF9の評価は低かった、というわけです。
あと、最近はそうでもないんですが、私はRPGとは自分のプレイ体験こそが物語だというこだわりを持っていたこともあって、ゲーム側が提供してくるストーリーへの興味が薄かったんですよね。それこそストーリーを楽しみたいならADVか小説でも読めと思っていたので、ストーリーを楽しむためにRPGをする、という人の感覚が理解できませんでした。せっかく「ロールプレイ」をするのに、他人の物語を見せられて楽しいのか?という感覚があったんですよねぇ。青い。

そんなわけで、ストーリーはきちんと追ってはいたものの、そもそも興味が薄いので、よほど感情を揺さぶられるものでなければそうそう覚えてません。特にFF9はとにかく戦闘が苦痛だったこともあって、「早く終わらねーかなあ」と思いながらやってたような気がするので尚更ですね。何かディズニーみたいなキャラデザになったのも印象悪かったのよな。

ところが、改めてプレイ動画を見ていると、キャラクターが実に生き生きと動いていて、新しい感動を覚えました。ストーリーもメッチャいいやんけ…。
まぁ相変わらず育成システムがゴミではありますが、リマスター版はその辺りのフォローが完璧なんで、煩わしさもなく、純粋にストーリーを楽しめるのが素晴らしいと思います。公式とはいえチートはゲームをつまらなくする要素ですが、そもそも苦痛を感じる要素だった部分を緩和するためのチートは大歓迎です。むしろよく実装したなあと感心します。メーカー側が「これは失敗だった」と認めるようなものですしねぇ。

というわけで、実に20年ぶり(!?)にFF9の私の中での評価が覆るということが起きました。いやー、こんなこともあるんですねぇ。
今ならSwitch版が半額セール中なので、気になる人は今が買いですぞ。や、これは良いゲームですわ。


以下、プレイ体験の一例

FF7において、セフィロスとは最悪のサイコパス野郎であり、完全な悪役だというのが世間一般での認識ではないかと思います。
しかし、私は最後までセフィロスを憎むことはできませんでした。

ゲームの序盤、セフィロスとクラウドがニブルヘイムへと任務で向かう途中という回想場面があるんですが、そこでドラゴンとのバトルがあります。
当然、新米であるクラウドはドラゴンの一撃で即死するわけですが、そこでなんと、セフィロスが倒れたクラウドにアレイズを使ってくれるという場面がありました。ちなみにこのセフィロスは完全なオート操作なので、プレイヤーの意思は介在していません。
敵を倒すことよりも、部下の人命を優先してくれる優しい英雄…それが私の中でのセフィロス像となった瞬間でした。

これは私のプレイ時の出来事であり、他のプレイヤーが同じ体験をするとは限りません。セフィロスにとってドラゴンは雑魚なので、そもそもクラウドに攻撃される前に倒してしまうかもしれませんし、ドラゴンの攻撃がセフィロスに行くこともあるでしょう。クラウドが倒れてもセフィロスは無視してドラゴンを倒すかもしれません。また、同じ出来事があったとしても、私と同じように考える人ばかりとは限りません。
たまたま、私のプレイ時にそういうことがあり、私はそう解釈したというだけのことですが、これこそが「プレイ体験」なわけです。誰のものでもない、私だけの物語がここに生まれたわけですね。

私はこういうゲーム側が想定していない出来事の積み重ねこそがRPGの醍醐味だと感じていて、それこそが「ストーリー」ではないかと思うわけです。この「自分だけの物語」の前には、世界の危機や悪の陰謀など些細なスパイスでしかなく、それが私がRPGにおいてストーリーをあまり重視しない理由でもあります。大まかな筋道と舞台さえ用意してくれれば、あとはこっちで勝手に物語を作りますよ、という感覚ですね。これはウィザードリィのような初期の淡白なRPGを嗜んでいた人ほど共感してくれるのではないかと思っているのですが、どうでしょう?

さすがに今はそこまで尖った考えは持っていないので、普通にストーリーを楽しんでいるわけですが、かつてセフィロスに感じた温かさのようなものにまた出会えることに期待して、重くなったゲームへの腰をあげてみるのでした。

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