2010年03月03日 16:38
ここまでお付き合いいただき、まことにありがとうございました。
せっかくなので、各フェイズ毎に、シナリオ解説などをしていきたいと思います。
この先は色々なネタバレを含みます。
まだリプレイを未読な人は、是非一度読んでから、改めてこちらにおいで下さい。
最初の記事 ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ 『選択の刻』 ~PC紹介
以下、GMのひとりごと
せっかくなので、各フェイズ毎に、シナリオ解説などをしていきたいと思います。
この先は色々なネタバレを含みます。
まだリプレイを未読な人は、是非一度読んでから、改めてこちらにおいで下さい。
最初の記事 ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ 『選択の刻』 ~PC紹介
以下、GMのひとりごと
まず、今回のリプレイそのものについて。
リプレイ制作が初ということもあり、どうすればいいのか勝手が分からなかったので、とりあえず今回は小細工なしで、プレイ内容をほぼそのまま掲載するという形にしてみました。いかがでしたか?
色々と試しながら、自分なりにしっくりくる形式がみつかればいいなぁと思うので、次回以降はまた雰囲気が変わっているかもしれません。
リプレイは実際に書いてみると恐ろしく面倒な代物ですが、プレイの情景を改めて見直すことで、プレイングやロールプレイそのもの、シナリオ運営など、反省点が客観的に見られるようになるのがいいですね。当時のプレイの雰囲気を保存するという意味でも、やる価値はあったかな、と。
それでは、各フェイズ毎にグダグダと語っていきたいと思います。お暇な方はどうぞお付き合いください。
オープニング1
総司が殺されるオープニングです(笑)。
最初に日常シーンを入れたかったんですが、総司が「烈老師ー!」と叫ぶため、すぐに家を出ることになってしまいました。せめてもの足掻きで小春を少しだけ登場させましたが、本当に少しだけですね(苦笑)。ハンドアウトに忠実に動いてくれた、とも言えるので、これはGMのミスです。
日常シーンで少し引っ張る予定だったので、思わぬマッドアサシンの早い登場により、早々にオープニングが終わってしまいました。おかげで次の京一のオープニングとの長さの差が酷いことになっています。
オープニング2
京一が死ぬオープニングです(笑)。
こちらはほぼ予定通りに進行しました。京一がうまく日常シーンに乗ってきてくれたので、非常に助かった部分でもあります。もう少し小春と仲のいいところを描写してあげるべきだったなぁと、今更ながらに思うのでした。
しかし、殺されパターンが2度続いたのはやり過ぎでしたね。もう少し導入を考えるべきだったと反省しています。
ミドル1、2
1は特に言うことはありません。普通の日常シーンを予定通りにやれたと思います。
2は本当に面白かったですね(笑)。学園生活の描写のほとんどはアドリブですが、PCたちのおかげで、愉快なことになりました。ただ、学園生活の中で「身体の異変」を描写せねばならず、どうしようかと困っていたところで、京一と総司が漫才を始めたので、利用させてもらいました(笑)。
ミドル3
情報収集のシーンです。
個人的な意見ですが、私はこうしてGM側から調べられる項目を提示するのは好きではありません。それではコンピューターゲームと変わらないと思うからです。
可能であれば、これまでの流れの中から、プレイヤー自ら調べたい項目をピックアップし、GMに提案してくれると、「やらされてる感」が薄くなっていいんじゃないかなと思っています。
でも、プレイを円滑にするという意味で、この方法も悪くはありません。プレイヤーの錬度が上がるまでは、こういう形式でやっていく方がいいのかもしれません。
シナリオに話を戻すと、どの項目について調べても、「繁華街」というキーワードが浮上するようになっていました。ただ、ここで時間をかけると、状況が少し変化するようになっていました。
今回は迅速に繁華街に移動したので、実は行動としては最善の選択でしたね。
ミドル4
暴走する小春との戦闘シーンです。
実は繁華街に来るのに手間取ると、冴子もすでに殺されていたはずでした。後で思い返すと、最速で現場に到着したのだから、取り巻きの二人を助けるチャンスを与えるべきだったなぁと思います。
ルールに不慣れなプレイヤーのためのチュートリアル的な戦闘のつもりでしたが、それなら適当なジャームを相手にするべきでしたね。相手が小春ということで、PCたちの躊躇いが大きく出てしまったのは、GMの配慮不足でした。なんとか攻撃する理由を正当化させるために、GMが必死になっているのがなんとも…(苦笑)。
前のシーンで殺人犯について調べていると、マッドアサシンとの戦闘になっていた可能性がありました。その場合も冴子が助からなくなる上に、PCの分からないところで小春がさらわれてしまうので、ハズレの選択肢だったともいえます。
ミドル5
クライマックスに向けて、一気に進行させるためのシーン。
思えば、京一たちは警察に相談するとか、そういう選択を一切考えませんでしたね(笑)。本来ならマッドアサシンの口から「警察に連絡しても無駄だ」と言わせるべきだったなぁと思ったり。
オーヴァードは《ワーディング》というオーヴァード以外を無力化する能力のおかげで、どれだけ弱いオーヴァードでも、軍隊ひとつをひとりで壊滅させることすらできます。それが、「オーヴァードに対抗できるのはオーヴァードだけ」と言われる所以です。
もし京一たちが警察に助力を頼んだとしても、無駄な犠牲が増えただけ(そして小春の立場をさらに危うくしただけ)なので、行動そのものは正解なのですけどね。
冴子の処理をうっかり忘れてたのはGM痛恨のミス。本当はミドル4の内にやっておくべきでした。まぁ、思い出しただけマシですが。冴子さんは結構好きなキャラなんですが、やはりPC側から積極的に関わろうとされないと、NPCは影が薄くなってしまいますね。
クライマックス
いよいよ大詰めです。
変則シナリオとはいえ、ラストバトルは単純な「悪いヤツ」がラスボスの方が遠慮なくやれていいだろうと思い、特に思想も理念もないジャームをラスボスに添えました。ただし、PCから憎まれてナンボなので、小春の洗脳というおまけ付き。
この戦闘は私のデータミスが目立ちますね。私自身、プレイそのものは初めてということもあり、データの把握が完全でなかったことが主な理由。しかし、言い訳ではありますが、完璧なプレイングというものは、TRPGではまず無理です。そこで、気付いたならプレイヤーから(あるいはその逆も)指摘し、GMとプレイヤー双方で補完することで、正しい運用ができるものだと思います。TRPGはプレイヤーとGMが戦うゲームではなく、互いに協力し合って物語を作っていくゲームであることを忘れてはいけません。
話を戻すと、ここでマッドアサシンの口から、「ジャーム」や「オーヴァード」について説明させればよかったなぁと思っていたりします。そうすることで、小春の異常な行動についての理解が深まり、行動選択の幅が広がったかもしれないなぁと思うと、ちょっと惜しいことをしましたね。
総司の取得していた「医者」のロイスは、本当に偶然の産物でした。おかげで総司の過去設定に厚みが加わり、次のシナリオでは主役として活躍することになります。加藤医師も重要キャラクターに成長しました(笑)。アドリブで登場したNPCが重要キャラになるというのは、TRPGではよくあることだったりします。
エンディング
数々の謎を残し、小春も結局救い切れないという、なんとも消化不良気味なエンディングですが、これがGMの想定していたラストだったりします。
元々、最初からこの話だけですべてが解決するとは考えておらず、いわゆる「導入」に近いシナリオにする予定でした。しかし、プレイヤーにモヤモヤするものを残してしまったのは失敗だったなぁと思います。
すでに次のシナリオはプレイ済みなので、またその内、ここで続きが描かれることもあると思います。その時はまた、よろしくお願いします。
おまけ ~NPC設定
〝貫くもの(マッドアサシン)〟
オルクス/エグザイルのジャームです。「殺戮」の衝動に支配されており、とにかく人間を殺すことが生きがいという危ない男です。他者を操る力を持っており、この能力で近しい者たちが殺しあう様を眺めるのが好きという、最悪な趣味を持っています。
ジャーム化したのはごく最近で、UGNの追手を撒いて逃げ込んだN市に潜伏したまではよかったものの、衝動に耐え切れなくなり、殺人事件を繰り返すことになりました。京一と総司、小春は純粋な被害者です。
一人称が途中で変わるのは、ジャームゆえの情緒不安定さの演出ということで(笑)。
小春との戦闘現場にタイミングよく現れたのは、実はマッドアサシンの方から京一たちを探していたからです。彼は自分が起こした事件のニュースを眺めては悦に入っていたのですが、京一たちについては何故かニュースが流れないことに疑念を抱き、確認のために行動していました。折りよく小春たちとの戦闘現場に遭遇した彼は、3人の戦いを見物しながら、頃合を見て小春をさらう算段を整えていたのでした。何故小春を狙ったのかについては、下の「倉崎小春」の項目を参照してください。
京一たちを仲間に誘ったのは、自分がUGNの追手から逃れるための駒として利用できそうだと考えたからです。もし断られても殺せばいいという、単純な思考をしていました。
コードネームはUGNにより付けられたもので、腕を槍状に変化させて人を貫くことを好むことから名付けられました。語源とか調べて付けたんですけど、失念。確か「アサシン」という単語が、「暗殺者」以外にそういう意味を持ってるとかなんとか…。
楠木冴子
不良少女。家の事情でやさぐれていた時に、他校の不良生徒と揉め事を起こし、リンチに合う寸前のところを京一に助けられ、一目ぼれした。…という裏設定があります。今考えました(おひ)。以降、素行はやや大人しくなり、学校にも登校してくるようになりました。
親の愛を十分に受けられなかったことから、他者に優しく接する方法に疎くなっており、他者を傷つけることでしか自分を誇示できない己に苛立ちを感じています。結果、恋敵である小春に矛先が向いてしまったのは、彼女にとっても不幸な出来事なのですが…。
ストレートロングの茶髪に切れ長の目をした、トゲトゲしい雰囲気をまとう美人さんです。最近は少し表情が柔らかくなったとかなんとか。
ある意味で日常の象徴とも言えるNPCなんですが、総司に嫌われたのがネックだったか(笑)。なんとなくアピールはしてみたものの、影の薄さは払拭できませんでした。まぁ、重要キャラでもなかったので、仕方ないですね。後々に、小春を救うためのキーパーソンとして再利用しようと思っています。
倉崎小春
当初、PCとは幼馴染という設定でしたが、PC作成時に総司が「双子の兄弟がいる」という設定をダイスで出して、「じゃあ小春を妹にしよう」という話になり、あれよあれよと妹になってしまいました。結果として総司のキャラ付けが濃くなり、PCの行動動機が明確になったのはよかったと思います。
彼女はキュマイラのピュアブリードで、実に単純なパワータイプ。次のシナリオの冒頭で明かされることなので、ここでバラしてしまいますが、彼女はすでにジャーム化しています。
発現している衝動は「飢餓」で、「弱い自分が嫌い」ということから力を欲し、「目の前で近しい人を失ったトラウマ」から「自分に愛情をくれる人」を永遠に求め続けています。それゆえ、自分を傷つける存在であった冴子たちを排除することに躊躇いがなくなり、自分の行動を否定しようとする京一たちにも牙を向けてしまったのです。ラストバトルで常に「寂しい」と嘆き続けていたのも、愛情を求めながらもロイス(絆)を取得できないジャームゆえの苦しみの声の演出です。どれだけ愛情を注いでも、彼女の飢えは決して満たされることはありません。それが「ジャーム」という悲劇の存在なのです。
しかし、PCたちが必死で助けようとしている姿を見て、それが無駄だと切り捨てることはしたくないと思い直し、次のシナリオで小春の現状を理解させた上で、PCたちの決意を確認することにしました。それによって、小春の今後を決めようと思ったのです。その結末については次のリプレイを待っていただくとしましょう。
リプレイ制作が初ということもあり、どうすればいいのか勝手が分からなかったので、とりあえず今回は小細工なしで、プレイ内容をほぼそのまま掲載するという形にしてみました。いかがでしたか?
色々と試しながら、自分なりにしっくりくる形式がみつかればいいなぁと思うので、次回以降はまた雰囲気が変わっているかもしれません。
リプレイは実際に書いてみると恐ろしく面倒な代物ですが、プレイの情景を改めて見直すことで、プレイングやロールプレイそのもの、シナリオ運営など、反省点が客観的に見られるようになるのがいいですね。当時のプレイの雰囲気を保存するという意味でも、やる価値はあったかな、と。
それでは、各フェイズ毎にグダグダと語っていきたいと思います。お暇な方はどうぞお付き合いください。
オープニング1
総司が殺されるオープニングです(笑)。
最初に日常シーンを入れたかったんですが、総司が「烈老師ー!」と叫ぶため、すぐに家を出ることになってしまいました。せめてもの足掻きで小春を少しだけ登場させましたが、本当に少しだけですね(苦笑)。ハンドアウトに忠実に動いてくれた、とも言えるので、これはGMのミスです。
日常シーンで少し引っ張る予定だったので、思わぬマッドアサシンの早い登場により、早々にオープニングが終わってしまいました。おかげで次の京一のオープニングとの長さの差が酷いことになっています。
オープニング2
京一が死ぬオープニングです(笑)。
こちらはほぼ予定通りに進行しました。京一がうまく日常シーンに乗ってきてくれたので、非常に助かった部分でもあります。もう少し小春と仲のいいところを描写してあげるべきだったなぁと、今更ながらに思うのでした。
しかし、殺されパターンが2度続いたのはやり過ぎでしたね。もう少し導入を考えるべきだったと反省しています。
ミドル1、2
1は特に言うことはありません。普通の日常シーンを予定通りにやれたと思います。
2は本当に面白かったですね(笑)。学園生活の描写のほとんどはアドリブですが、PCたちのおかげで、愉快なことになりました。ただ、学園生活の中で「身体の異変」を描写せねばならず、どうしようかと困っていたところで、京一と総司が漫才を始めたので、利用させてもらいました(笑)。
ミドル3
情報収集のシーンです。
個人的な意見ですが、私はこうしてGM側から調べられる項目を提示するのは好きではありません。それではコンピューターゲームと変わらないと思うからです。
可能であれば、これまでの流れの中から、プレイヤー自ら調べたい項目をピックアップし、GMに提案してくれると、「やらされてる感」が薄くなっていいんじゃないかなと思っています。
でも、プレイを円滑にするという意味で、この方法も悪くはありません。プレイヤーの錬度が上がるまでは、こういう形式でやっていく方がいいのかもしれません。
シナリオに話を戻すと、どの項目について調べても、「繁華街」というキーワードが浮上するようになっていました。ただ、ここで時間をかけると、状況が少し変化するようになっていました。
今回は迅速に繁華街に移動したので、実は行動としては最善の選択でしたね。
ミドル4
暴走する小春との戦闘シーンです。
実は繁華街に来るのに手間取ると、冴子もすでに殺されていたはずでした。後で思い返すと、最速で現場に到着したのだから、取り巻きの二人を助けるチャンスを与えるべきだったなぁと思います。
ルールに不慣れなプレイヤーのためのチュートリアル的な戦闘のつもりでしたが、それなら適当なジャームを相手にするべきでしたね。相手が小春ということで、PCたちの躊躇いが大きく出てしまったのは、GMの配慮不足でした。なんとか攻撃する理由を正当化させるために、GMが必死になっているのがなんとも…(苦笑)。
前のシーンで殺人犯について調べていると、マッドアサシンとの戦闘になっていた可能性がありました。その場合も冴子が助からなくなる上に、PCの分からないところで小春がさらわれてしまうので、ハズレの選択肢だったともいえます。
ミドル5
クライマックスに向けて、一気に進行させるためのシーン。
思えば、京一たちは警察に相談するとか、そういう選択を一切考えませんでしたね(笑)。本来ならマッドアサシンの口から「警察に連絡しても無駄だ」と言わせるべきだったなぁと思ったり。
オーヴァードは《ワーディング》というオーヴァード以外を無力化する能力のおかげで、どれだけ弱いオーヴァードでも、軍隊ひとつをひとりで壊滅させることすらできます。それが、「オーヴァードに対抗できるのはオーヴァードだけ」と言われる所以です。
もし京一たちが警察に助力を頼んだとしても、無駄な犠牲が増えただけ(そして小春の立場をさらに危うくしただけ)なので、行動そのものは正解なのですけどね。
冴子の処理をうっかり忘れてたのはGM痛恨のミス。本当はミドル4の内にやっておくべきでした。まぁ、思い出しただけマシですが。冴子さんは結構好きなキャラなんですが、やはりPC側から積極的に関わろうとされないと、NPCは影が薄くなってしまいますね。
クライマックス
いよいよ大詰めです。
変則シナリオとはいえ、ラストバトルは単純な「悪いヤツ」がラスボスの方が遠慮なくやれていいだろうと思い、特に思想も理念もないジャームをラスボスに添えました。ただし、PCから憎まれてナンボなので、小春の洗脳というおまけ付き。
この戦闘は私のデータミスが目立ちますね。私自身、プレイそのものは初めてということもあり、データの把握が完全でなかったことが主な理由。しかし、言い訳ではありますが、完璧なプレイングというものは、TRPGではまず無理です。そこで、気付いたならプレイヤーから(あるいはその逆も)指摘し、GMとプレイヤー双方で補完することで、正しい運用ができるものだと思います。TRPGはプレイヤーとGMが戦うゲームではなく、互いに協力し合って物語を作っていくゲームであることを忘れてはいけません。
話を戻すと、ここでマッドアサシンの口から、「ジャーム」や「オーヴァード」について説明させればよかったなぁと思っていたりします。そうすることで、小春の異常な行動についての理解が深まり、行動選択の幅が広がったかもしれないなぁと思うと、ちょっと惜しいことをしましたね。
総司の取得していた「医者」のロイスは、本当に偶然の産物でした。おかげで総司の過去設定に厚みが加わり、次のシナリオでは主役として活躍することになります。加藤医師も重要キャラクターに成長しました(笑)。アドリブで登場したNPCが重要キャラになるというのは、TRPGではよくあることだったりします。
エンディング
数々の謎を残し、小春も結局救い切れないという、なんとも消化不良気味なエンディングですが、これがGMの想定していたラストだったりします。
元々、最初からこの話だけですべてが解決するとは考えておらず、いわゆる「導入」に近いシナリオにする予定でした。しかし、プレイヤーにモヤモヤするものを残してしまったのは失敗だったなぁと思います。
すでに次のシナリオはプレイ済みなので、またその内、ここで続きが描かれることもあると思います。その時はまた、よろしくお願いします。
おまけ ~NPC設定
〝貫くもの(マッドアサシン)〟
オルクス/エグザイルのジャームです。「殺戮」の衝動に支配されており、とにかく人間を殺すことが生きがいという危ない男です。他者を操る力を持っており、この能力で近しい者たちが殺しあう様を眺めるのが好きという、最悪な趣味を持っています。
ジャーム化したのはごく最近で、UGNの追手を撒いて逃げ込んだN市に潜伏したまではよかったものの、衝動に耐え切れなくなり、殺人事件を繰り返すことになりました。京一と総司、小春は純粋な被害者です。
一人称が途中で変わるのは、ジャームゆえの情緒不安定さの演出ということで(笑)。
小春との戦闘現場にタイミングよく現れたのは、実はマッドアサシンの方から京一たちを探していたからです。彼は自分が起こした事件のニュースを眺めては悦に入っていたのですが、京一たちについては何故かニュースが流れないことに疑念を抱き、確認のために行動していました。折りよく小春たちとの戦闘現場に遭遇した彼は、3人の戦いを見物しながら、頃合を見て小春をさらう算段を整えていたのでした。何故小春を狙ったのかについては、下の「倉崎小春」の項目を参照してください。
京一たちを仲間に誘ったのは、自分がUGNの追手から逃れるための駒として利用できそうだと考えたからです。もし断られても殺せばいいという、単純な思考をしていました。
コードネームはUGNにより付けられたもので、腕を槍状に変化させて人を貫くことを好むことから名付けられました。語源とか調べて付けたんですけど、失念。確か「アサシン」という単語が、「暗殺者」以外にそういう意味を持ってるとかなんとか…。
楠木冴子
不良少女。家の事情でやさぐれていた時に、他校の不良生徒と揉め事を起こし、リンチに合う寸前のところを京一に助けられ、一目ぼれした。…という裏設定があります。今考えました(おひ)。以降、素行はやや大人しくなり、学校にも登校してくるようになりました。
親の愛を十分に受けられなかったことから、他者に優しく接する方法に疎くなっており、他者を傷つけることでしか自分を誇示できない己に苛立ちを感じています。結果、恋敵である小春に矛先が向いてしまったのは、彼女にとっても不幸な出来事なのですが…。
ストレートロングの茶髪に切れ長の目をした、トゲトゲしい雰囲気をまとう美人さんです。最近は少し表情が柔らかくなったとかなんとか。
ある意味で日常の象徴とも言えるNPCなんですが、総司に嫌われたのがネックだったか(笑)。なんとなくアピールはしてみたものの、影の薄さは払拭できませんでした。まぁ、重要キャラでもなかったので、仕方ないですね。後々に、小春を救うためのキーパーソンとして再利用しようと思っています。
倉崎小春
当初、PCとは幼馴染という設定でしたが、PC作成時に総司が「双子の兄弟がいる」という設定をダイスで出して、「じゃあ小春を妹にしよう」という話になり、あれよあれよと妹になってしまいました。結果として総司のキャラ付けが濃くなり、PCの行動動機が明確になったのはよかったと思います。
彼女はキュマイラのピュアブリードで、実に単純なパワータイプ。次のシナリオの冒頭で明かされることなので、ここでバラしてしまいますが、彼女はすでにジャーム化しています。
発現している衝動は「飢餓」で、「弱い自分が嫌い」ということから力を欲し、「目の前で近しい人を失ったトラウマ」から「自分に愛情をくれる人」を永遠に求め続けています。それゆえ、自分を傷つける存在であった冴子たちを排除することに躊躇いがなくなり、自分の行動を否定しようとする京一たちにも牙を向けてしまったのです。ラストバトルで常に「寂しい」と嘆き続けていたのも、愛情を求めながらもロイス(絆)を取得できないジャームゆえの苦しみの声の演出です。どれだけ愛情を注いでも、彼女の飢えは決して満たされることはありません。それが「ジャーム」という悲劇の存在なのです。
しかし、PCたちが必死で助けようとしている姿を見て、それが無駄だと切り捨てることはしたくないと思い直し、次のシナリオで小春の現状を理解させた上で、PCたちの決意を確認することにしました。それによって、小春の今後を決めようと思ったのです。その結末については次のリプレイを待っていただくとしましょう。
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コメント
智郎 | URL | -
Re: ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ 『選択の刻』 ~シナリオの裏側
おお、PCの行動、選択次第で創られていくストーリー。おもしろいですね、次回セッションのリプレイが待ちどうしいですね。
しかし…
まったくもって酷い文ですね!一体だれが描いたんでしょうか、人間性を疑いたくなりますね…。
(^_^;)
( 2010年03月03日 20:54 [編集] )
岳る | URL | -
Re: ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ 『選択の刻』 ~シナリオの裏側
>智郎君
コンピューターゲームより柔軟に対応できるのがTRPGの醍醐味だからねぇ。
今やってるキャンペーン(連続するシナリオのこと)は、PCの行動結果を可能な限り反映する(色々な選択肢を用意する)ことを目標にしているので、TRPGらしさが出てるんじゃないかな、と。
( ´∀`)σ)Д`)
( 2010年03月03日 21:07 [編集] )
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